亜鉛で勃起力は向上する?効果が期待できる摂取方法と注意点を解説
- 更新日:2025.06.25
- 投稿日:2025.06.25

勃起力の衰えは、男性にとって悩みの種です。生活習慣の改善や、必要な栄養素の摂取で、勃起力低下の進行を遅らせたり、改善が期待できたりする可能性があることをご存知でしょうか?亜鉛は、勃起力を維持するために重要な役割を果たします。この記事では、亜鉛と勃起力について、以下の内容を解説します。
- 亜鉛と勃起力の関係
- 亜鉛の効果を最大限発揮する摂取方法
- 亜鉛を摂取するうえでの注意点
記事を読んで、亜鉛と勃起力の関係について理解を深めることで、勃起力への不安軽減が期待できます。勃起力に少しでも不安がある方は、ぜひ参考にしてください。
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亜鉛と勃起力の関係
亜鉛は、体内でさまざまな機能を担う必須のミネラルです。酵素の活性に関与しており、細胞の成長や再生、タンパク質やテストステロンの合成、免疫機能の維持などの役割を担っています。テストステロンは、男性の性徴や生殖機能に深く関わる男性ホルモンです。亜鉛と勃起力の関係について、以下の内容を解説します。
- 亜鉛がテストステロンの合成を支える仕組み
- 亜鉛不足が勃起機能に及ぼす影響
亜鉛がテストステロンの合成を支える仕組み
テストステロンは、主に精巣内の細胞で作られます。亜鉛は、精巣内の細胞の機能を正常に保ったり、テストステロンを作る酵素の働きを助けたりすることで、テストステロンの合成を促進します。亜鉛は、精巣と副睾丸の機能にも大きく関わっており、精子形成や精子成熟などの過程でも不可欠な栄養素です。
亜鉛不足が勃起機能に及ぼす影響
亜鉛が不足すると、テストステロンの合成がうまくいかず、勃起機能に悪影響を及ぼす可能性があります。テストステロンは、勃起を促す神経伝達物質の放出や、陰茎の血管拡張を促進する役割を担うホルモンです。テストステロンが不足すると、勃起しにくくなったり、勃起を維持できなくなったりすることがあります。
亜鉛には、体内の活性酸素を取り除く「抗酸化作用」があります。活性酸素とは、通常よりも反応性が高い酸素で、体内のさまざまな物質を酸化させる働きを持っています。活性酸素が過剰になると、老化や病気の原因になるため注意が必要です。亜鉛が不足すると、活性酸素によって血管が傷つきやすくなり、勃起に必要な血液がうまく届かなくなる可能性があります。
海外では、亜鉛が精巣や精子に与える影響について、研究が行われました。報告によると、亜鉛不足によって、精子の運動率が低下したり、数が減ったりすることが示されました。亜鉛が多すぎても、不妊の原因となる可能性があるため、適切な量の亜鉛を摂取することが大切です。
亜鉛の効果を最大限発揮する摂取方法
亜鉛の効果を最大限に引き出すために、体への吸収率を高める工夫が必要です。以下のポイントに注意して、摂取してください。
- 食後30分以内に亜鉛を摂取する
- 吸収を高める栄養素を摂取する
- 過度なアルコールは避ける
- 適度な運動を取り入れる
- 十分な睡眠を確保する
食後30分以内に亜鉛を摂取する
亜鉛は、食後30分以内に摂取しましょう。食後は胃酸の分泌が活発になるため、亜鉛の吸収率が高まります。食事と一緒に摂取することで、胃腸への負担を軽減できます。空腹時に亜鉛を摂取すると、体内でうまく溶けないため、吸収されにくくなります。結果、吐き気や胃の不快感などの副作用が現れる可能性があるため、避けてください。
サプリメントで亜鉛を摂取する場合も、食後に飲むのがおすすめです。
吸収を高める栄養素を摂取する
亜鉛の吸収率を高める以下の栄養素と一緒に摂取してください。
- ビタミンC
- クエン酸
- 動物性タンパク質
ビタミンCやクエン酸は、柑橘系の果物や野菜、酢などに多く含まれ、亜鉛と結合することで吸収率を向上させる働きがあります。肉や魚、卵に含まれる動物性タンパク質は、亜鉛の吸収を促進し、体内で利用されやすい形に変換する役割を担っています。
コーヒーや緑茶に含まれるタンニンや、穀物や豆類に含まれるフィチン酸は、亜鉛と結合し、体内に吸収されにくい形に変えてしまいます。亜鉛を摂取する際は、コーヒーや緑茶との同時摂取は避け、玄米や豆類などの摂取量に注意してください。
過度なアルコールは避ける
アルコールを肝臓で分解する際に亜鉛を消費するため、過度にアルコールを摂取すると、体内の亜鉛が不足しやすくなります。アルコールには利尿作用があり、尿と一緒に亜鉛が排出されやすくなる可能性もあります。アルコールは、適量の摂取を心がけてください。
アルコールの量が増えてしまった日は、肝臓の疲労を回復させるビタミンB群を積極的に摂取し、肝臓での亜鉛の消耗を抑えましょう。ビタミンB群は、豚肉や魚介類、卵黄などに多く含まれています。
適度な運動を取り入れる
適度な運動は、血行を促進し、亜鉛などの栄養素の吸収を助ける効果が期待できます。軽いウォーキングやジョギング、ストレッチなどを無理のない範囲で行いましょう。運動は、テストステロンの分泌を促進する効果も期待できるため、勃起力の維持・向上の期待につながる可能性があります。
週に3回、30分程度の運動を継続してください。過度な運動は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、テストステロンの分泌を抑制する可能性があります。
十分な睡眠を確保する
睡眠の確保も、亜鉛の効果を発揮させるためには欠かせません。睡眠不足になると、以下の影響が出る可能性があります。
- ホルモンバランスが崩れて亜鉛の吸収や働きが阻害される
- 成長ホルモンの分泌が低下して亜鉛の吸収や働きが悪くなる
- テストステロンの分泌が抑制される
適切な睡眠時間には個人差がありますが、1日6.5~8時間程度の睡眠を確保してください。睡眠の質を高めるために、毎日同じ時間に寝起きすることや、寝る前にカフェインを摂らないことが大切です。寝る前のスマートフォンやPCの操作も、睡眠の質を悪化させる原因です。寝る前は画面を見ずにリラックスして過ごしましょう。
亜鉛を摂取するうえでの注意点
亜鉛の摂取方法を誤ると、健康を害する可能性があります。亜鉛を摂取する際は、以下の点に注意してください。
- 過剰摂取に注意する
- 鉄分などのミネラルバランスに気をつける
- 医薬品との相互作用に注意する
- 体調が悪くなったら医療機関を受診する
亜鉛サプリメントを利用する際は、適量を守り、安全に摂取する方法を正しく理解することが重要です。
過剰摂取に注意する
亜鉛を過剰に摂取すると、吐き気や嘔吐、下痢、頭痛、腹痛、めまいなどの副作用が現れる可能性があります。長期的な過剰摂取は、銅の吸収を阻害し、銅欠乏症のリスクを高めます。銅は、赤血球の形成や神経系の維持に不可欠なミネラルで、不足すると貧血や倦怠感、神経障害などの症状を引き起こす可能性があります。
厚生労働省の報告によると、亜鉛の耐容上限量は、18〜29歳と65歳以上の男性で40mg、30〜64歳の男性で45mgです。サプリメントで亜鉛を摂取する際は、1日の上限量を超えないように注意しましょう。マルチミネラルのサプリメントに含まれる亜鉛と重複して摂取している場合もあります。
亜鉛の総摂取量を計算し、過剰摂取にならないように気をつけましょう。
鉄分などのミネラルバランスに気をつける
亜鉛は、体内で銅や鉄など他のミネラルと密接に関係しているため、亜鉛サプリメントを摂取する際は、銅や鉄とのバランスに気を配ることが大切です。亜鉛を過剰に摂取すると、銅欠乏症や鉄欠乏性貧血のリスクが高まります。バランスの良い食事を心がけ、必要に応じて、銅や鉄のサプリメントを併用することも検討しましょう。
医薬品との相互作用に注意する
亜鉛は、以下の医薬品と相互作用を起こす可能性があります。
- キノロン系薬剤やテトラサイクリン系薬剤:亜鉛の吸収を阻害する
- 利尿剤:亜鉛が尿中に排出される量を増やす
キノロン系製剤は、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症、肺炎や気管支炎などの呼吸器感染症に主に用いられます。テトラサイクリン系製剤は、ニキビや毛包炎などの皮膚感染症に用いられることが多い薬です。利尿剤は、むくみや高血圧の治療に多く用いられます。
現在服用中の薬がある場合は、亜鉛サプリメントを服用する前に、医師や薬剤師に相談しましょう。自己判断で服用を続けると、薬の効果が十分に得られなかったり、予期せぬ副作用が現れたりする可能性があります。
体調が悪くなったら医療機関を受診する
亜鉛サプリメントを摂取して、吐き気や嘔吐、下痢、頭痛、めまい、発疹などの症状が現れた場合は、自己判断せず、速やかに医療機関を受診してください。亜鉛の過剰摂取による副作用や、亜鉛と医薬品の相互作用による健康被害を避けるために、医師の指示に従うことが重要です。
早期に適切な対応をすることで、症状の悪化を防ぎ、健康な状態を維持することが期待できます。
MSクリニック横浜では、勃起力や包茎、早漏といった男性特有の悩みに対して、医学的な根拠にもとづいた丁寧な診断と治療を行っています。これらの悩みは一人で抱え込まず、適切なサポートを受けることで根本からの改善が可能です。自信を持ってパートナーとの関係を築くためにも、まずは専門医に相談してみましょう。
まとめ
亜鉛は、テストステロンの合成をサポートするなど、勃起力の維持に重要な役割を果たすミネラルです。亜鉛が不足すると、ホルモンバランスや血流に悪影響を及ぼし、勃起機能の低下につながる可能性があるため、日頃から意識的な摂取が必要です。
亜鉛の吸収を高めるために、食後30分以内に摂取したり、ビタミンCや動物性タンパク質などの栄養素と一緒に摂取したりするのがおすすめです。過剰摂取は健康を害する可能性があるため、上限量を守り、他のミネラルとのバランスにも気をつけましょう。サプリメントを利用する場合は、医師や薬剤師に相談し、安全に摂取することが大切です。
以下の記事では、ストレスや不安などが原因で起こる「心因性ED」について、主な症状やそのメカニズム、効果的な対処法や治療法を詳しく解説しています。身体的な問題だけでなく、メンタル面の影響も気になる方はぜひ参考にしてください。
>>心因性EDの原因とは?主な症状や対処法、治療法を解説
参考文献
- Nebojša Zečević, Aleksandra Veselinović, Milan Perović, Aleksandar Stojsavljević.Association Between Zinc Levels and the Impact of Its Deficiency on Idiopathic Male Infertility: An Up-to-Date Review.Antioxidants (Basel),2025,14,2,p.165
- 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(令和7年)
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)