ペニスの皮が切れるのはなぜ?原因と対処法を徹底解説
- 更新日:2025.06.25
- 投稿日:2025.06.25

ペニスの皮が切れるトラブルは、医学的に包皮の創傷と呼ばれ、痛みや出血を伴うだけでなく、日常生活にも支障をきたします。思春期に限らず、大人の男性でも経験する可能性があり、放置すると感染症になる可能性が高まります。将来の合併症を回避するためには、適切な包皮ケアに関する教育が必要であるという報告もあります。
本記事では、包皮の創傷の4つの原因と適切な対処法、再発を防ぐための5つの予防策を解説します。具体的な方法を知ることで、不安を解消し、自信を持って毎日を過ごしましょう。
当院では、ペニスの包皮に関するお悩みにも対応しています。診察カウンセリングを無料で行っておりますので、ご予約のうえご来院ください。
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ペニスの皮が切れる4つの原因
ペニスの皮が切れる原因について、下記の4つを解説します。
- 摩擦による擦過傷
- 乾燥による裂創
- 包皮炎・カンジダ感染による感染創
- その他の皮膚疾患(アレルギー性接触皮膚炎など)による創傷
摩擦による創傷
包皮に創傷を起こす一般的な原因は、摩擦です。性行為やマスターベーションの際、潤滑剤を使用しないと、包皮と粘膜との摩擦が大きくなり、擦過傷が生じやすくなります。包茎の方は、勃起時に包皮が引っ張られることで亀頭に負担がかかりやすく、小さな傷ができる場合があります。
包皮の開口部が狭く、亀頭を覆っている包皮が十分に伸縮しないことが原因です。亀頭が露出しない真性包茎だけでなく、仮性包茎の方も注意が必要です。日常生活でも、タイトな下着やズボンを着用すると、包皮と衣類との摩擦が生じ、擦過傷の可能性が高まります。
運動などで汗をかいた場合は、汗と衣類の摩擦が悪化し、炎症を起こす可能性があります。炎症が慢性化すると、皮膚が薄くなり裂けやすくなるので、注意しましょう。
以下の記事では、亀頭オナニーによる摩擦や傷のリスクについて、医師の見解を交えながら詳しく解説しています。正しい知識を持ち、安全に行うための対策を知りたい方は、ぜひご覧ください。
>>亀頭オナニーは危険?専門医が教える注意すべきポイントと対策
乾燥によるひび割れ
乾燥も包皮に創傷を起こす原因の一つです。皮膚が乾燥すると、柔軟性が失われ、ひび割れ(裂傷)しやすくなります。冬場や空気が乾燥している時期は、皮膚の水分が蒸発しやすく、乾燥しやすいため注意が必要です。加齢とともに皮膚の水分保持機能は低下するため、高齢者は、少しの刺激でも包皮が切れる場合があります。
洗浄力の強い石鹸やボディソープを使用すると、皮膚の皮脂が過剰に除去され、乾燥を招く可能性があります。デリケートな部分だからこそ、洗剤選びにも配慮が大切です。
包皮炎・カンジダ感染
包皮炎やカンジダ感染も、包皮に創傷を起こす原因となります。包皮炎は、亀頭と包皮に炎症が起こる疾患で、皮膚が赤く腫れ上がり、かゆみや痛みを伴います。炎症がひどくなると、皮膚が薄くなり、亀裂が生じやすくなります。カンジダ感染症は、カビの一種である真菌、カンジダ菌が原因で起こる感染症です。
カンジダ菌は皮膚や粘膜に常在する菌ですが、免疫力が低下しているときに過剰に増殖し、感染症を引き起こします。亀頭や包皮が赤く腫れ上がり、白いカスが付着します。かゆみや痛みを伴う場合もあり、炎症がひどくなると、皮膚が切れる場合があります。
亀頭包皮炎と皮膚微生態学に関する研究では、包皮炎の患者は、健常者と比較して皮膚の微生物叢(びせいぶつそう)の組成が変化していることが示唆されています。皮膚にはさまざまな微生物が生息しており、バランスが崩れると、亀頭包皮炎を引き起こす可能性があります。
その他の皮膚疾患(アレルギー性接触皮膚炎など)
アレルギー性接触皮膚炎などの皮膚疾患も包皮に創傷が起こる原因です。アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質に触れることで皮膚にアレルギー反応が起こり、炎症を引き起こす疾患です。金属アレルギーやラテックスアレルギーなどが原因になる場合があります。
アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患も、包皮の創傷の原因になる可能性があります。皮膚のバリア機能が低下しているため、外部からの刺激に弱く、炎症を起こしやすくなっています。症状としては、赤みやかゆみ、水ぶくれ、皮膚のひび割れなどがあります。
こうした皮膚トラブルを防ぐためには、日々のセルフケアや自慰行為の方法にも注意が必要です。特に「皮オナ」と呼ばれる方法は、包茎の方に多く見られ、誤ったやり方がトラブルを引き起こすことがあります。以下の記事では、皮オナによる健康リスクや、正しい自慰方法について医師の視点から詳しく解説しています。
>>皮オナの健康リスクを医師が警告!包茎トラブルを防ぐ正しい自慰行為のやり方を解説
ペニスの皮が切れたときの対処法
ペニスの皮が切れたときの対処法として、以下の3つを解説します。
- 保湿をする
- 市販薬を使用する
- 通気性が高い下着を使用する
保湿をする
ペニスの皮が切れた際は、傷口を保護するために、ワセリンなどの保湿剤を塗布して乾燥を防ぎます。保湿剤は、皮膚のバリア機能をサポートし、外部からの刺激や感染から守ります。ワセリンは刺激が少なく、医療機関でも使用されているため、安心して使用できます。適切な保湿ケアを行うことで、傷の治りを促進し、痛みやかゆみを軽減しましょう。
市販薬を使用する
市販薬を使用する場合は、白色ワセリンがおすすめです。白色ワセリンは皮膚を保護し、保湿効果を高めることで、傷の治りを促進します。ステロイドを含む市販薬は、自己判断で使用すると、皮膚が薄くなり、症状が悪化する場合があります。
抗生物質を含む薬も、医師の診断なしに使用すると、耐性菌の出現を招き、将来的に適切な治療ができなくなる可能性があります。市販薬で十分な効果が得られない場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。
通気性が高い下着を使用する
通気性の高い下着を着用することは、ペニスの皮が切れたときの回復を早めるだけでなく、再発予防にも効果が期待できる場合があります。通気性が悪い下着は、蒸れや摩擦を引き起こし、傷の治りを遅らせたり、新たな傷を作ったりする可能性があります。綿素材の下着は、通気性と吸湿性に優れています。
サイズが合っていない下着も摩擦の原因になるため、適切なサイズの下着を選びましょう。適切な下着選びは、包皮ケアにおいて重要な要素です。清潔で通気性の良い状態を保つことで、傷の治りを促進し、再発を予防できます。包皮炎などの既往歴がある方は、下着の素材やサイズに気を配り、適切なケアを心がけることが大切です。
医療機関を受診する目安
医療機関を受診する目安については、以下のとおりです。
- 症状が長引いている
- 膿が出ている
- 排尿痛がある
症状が長引いている
ペニスの皮が切れてから1週間以上経っても症状が改善しない場合は、医療機関への受診をおすすめします。患部が赤く腫れ上がっていたり、痛みやかゆみが続く場合は自然治癒が難しい可能性があります。糖尿病などの基礎疾患があると、免疫力が低下し、感染症になる可能性が高まるため、傷の治癒も遅れがちです。
自己判断で市販薬を使い続けると、症状が悪化したり、適切な治療の開始が遅れたりする可能性があります。ステロイド外用薬は、長期使用すると、皮膚が薄くなり、裂傷を起こす場合があります。
膿が出ている
ペニスの皮が切れた部分から膿が出ている場合は、細菌感染の可能性があります。亀頭包皮炎が原因で膿が出ることもあります。感染症を放置すると、症状が悪化し、周囲の組織に炎症が広がり、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
膿が出ている場合は、自己判断で治療せずに、速やかに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。医師の指示に従って抗生物質の内服や外用薬を使用することで、感染症を効果的に治療できます。細菌感染が疑われる場合は、泌尿器科や皮膚科を受診しましょう。
医師は患部の状態を確認し、必要に応じて細菌培養検査などを行い、原因菌を特定します。原因菌に合わせた抗生物質を内服することで、感染症の治療効果が期待できます。
排尿痛がある
ペニスの皮が切れると、排尿時に痛みを感じる場合があります。尿が傷口に触れて刺激されることが原因です。排尿痛が続く場合は、尿道炎や膀胱炎などの尿路感染症の可能性もあります。尿路感染症は、細菌が尿道から膀胱に侵入することで発症します。自然治癒は難しいため、抗生物質による治療が必要になります。
症状は、排尿痛や頻尿、残尿感、尿の濁りなどがあります。排尿痛が続く場合は、医療機関を受診し、尿検査などを受けて原因を特定することが重要です。尿検査は、尿中の白血球や細菌の有無などを調べられます。早期に適切な治療を開始し、症状の悪化や慢性化を防ぎましょう。
ペニスの皮が切れるのを防ぐ5つの方法
ペニスの皮が切れるのを防ぐ方法について、以下の5つを解説します。
- 正しい洗浄
- 適切な保湿
- 潤滑剤(ローション)の使用
- 生活習慣の改善
- 定期的なセルフチェック
正しい洗浄
ペニスの皮が切れる原因の一つに、不適切な洗浄による刺激や乾燥があります。恥垢は、包皮の内側にある皮脂腺から分泌される皮脂や古い角質、汗などが混ざり合ったものです。適切に洗浄しないと、恥垢が蓄積し、細菌が繁殖しやすくなります。
細菌の繁殖は、炎症や感染症を引き起こす可能性を高めるため、正しい洗浄方法を身につけることが重要です。正しい洗浄方法は、以下のとおりです。
- 包皮を優しくめくり、石鹸やボディーソープをよく泡立てて洗う
- すすぎ残しがないように、泡をしっかりと洗い流す
- 洗った後は、清潔なタオルで優しく水分を拭き取る
洗浄するときは、ゴシゴシこすらず、指の腹を使って丁寧に洗いましょう。亀頭と包皮の間は汚れが溜まりやすいので、丁寧に洗うように心がけてください。洗い流すときは、シャワーをしっかりと当てて、石鹸カスがなくなるまで丁寧に洗い流しましょう。石鹸カスが残ると、刺激となり、炎症を引き起こす可能性があります。
水分を拭き取るときは、ゴシゴシこすったり、タオルで強く叩いたりすると、皮膚を傷つける可能性があるので、優しく押さえるようにしましょう。水分が残っていると、雑菌が繁殖しやすくなるため、特に陰部周辺はしっかりと乾燥させることが大切です。
洗浄は、1日に1回入浴時に行いましょう。過度な洗浄は、皮膚の乾燥を招き、炎症を起こす可能性があります。正しい洗浄方法を身につけることで、清潔を保ち、トラブルを予防しましょう。
適切な保湿
乾燥もペニスの皮が切れる原因の一つです。皮膚が乾燥すると、外部からの刺激に弱くなり、ひび割れや炎症を起こしやすくなります。保湿ケアは、皮膚のバリア機能を高め、乾燥によるダメージから守ることができます。保湿ケアを適切に行うために気をつけることは、以下のとおりです。
- 乾燥が気になるときは、ワセリンなどの保湿剤を優しく塗布する
- 保湿剤は、刺激の少ない低刺激性、無香料のものを選ぶ
- 乾燥しやすい冬場や空気が乾燥している場所では、こまめに保湿ケアを行う
保湿剤に含まれる香料や防腐剤などの添加物は、皮膚への刺激となる可能性があります。敏感肌の方は、添加物の少ない保湿剤を選ぶようにしましょう。適切な保湿ケアを行うことで、皮膚の健康を維持し、トラブルを予防できます。
潤滑剤(ローション)の使用
性行為やマスターベーションの際に摩擦が生じると、ペニスの皮が切れることがあります。潤滑剤(ローション)を使用することで、摩擦を軽減し、創傷を防ぐことができます。潤滑剤を使用する際の注意事項は以下のとおりです。
- 水溶性やシリコン系の潤滑剤を選ぶ
- 潤滑剤は、性行為やマスターベーションの前に、ペニス全体に塗布する
- 十分な量の潤滑剤を使用する
- 違和感や痛みを感じた場合は、すぐに使用を中止し、医療機関を受診する
油分を含む潤滑剤は、コンドームを劣化させる可能性があるため、避けるほうが無難です。油分を含まない水溶性やシリコン系の潤滑剤は、コンドームとの併用も可能です。
生活習慣の改善
生活習慣の乱れは、免疫力の低下や皮膚の乾燥を招き、ペニスの皮が切れる可能性を高める場合があります。生活習慣を改善するため、以下の3つに注意しましょう。
- 栄養バランスの良い食事:皮膚の健康を維持し、抵抗力を高める
- 質の高い睡眠:睡眠中に成長ホルモンが分泌され、皮膚の修復や再生を促進する
- 適度な運動:血行を促進し、新陳代謝を高める
ビタミンやミネラルなどの栄養素は、皮膚の新陳代謝を促進し、健康な状態を保つために必要です。偏った食生活は、栄養不足を招き、皮膚のトラブルを引き起こす可能性があるので注意しましょう。睡眠不足は、免疫力の低下につながるため、質の高い睡眠を十分に確保しましょう。
適切な運動によって、血行が促進されると、皮膚への栄養供給や老廃物の排出がスムーズに行われ、皮膚の健康を維持できます。バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけ、健康的な生活を送りましょう。
定期的なセルフチェック
ペニスの皮の状態を定期的にチェックすることで、異変に早期に気づくことができます。早期発見は早期治療につながり、症状の悪化を防ぐことにつながります。セルフチェックを行う際は、上記の4つに注意し、ペニスの皮が切れるのを防ぎましょう。
- 入浴時などに、包皮を優しくめくり、亀頭や包皮の状態を確認する
- 赤みや腫れ、かゆみ、痛み、出血などの症状がないか、注意深く観察する
- 異変に気づいた場合は、速やかに医療機関を受診する
包茎気味の方や過去にペニスの皮が切れた経験がある方は、セルフチェックを習慣化しましょう。全体を確認する際は、鏡を使って、陰茎全体を観察することも有効です。日頃からセルフチェックを心がけ、気になることがあれば、気軽に医療機関に相談しましょう。
まとめ
ペニスの皮が切れる原因は、摩擦や乾燥、炎症、アレルギーなどさまざまです。性行為やマスターベーションだけでなく、日常生活での摩擦や乾燥にも注意が必要です。切れてしまった場合は、清潔に保ち、ワセリンなどで保湿しましょう。症状が長引く場合や膿が出る場合は、速やかに医療機関を受診してください。
自己判断で市販薬を使用するのは避けましょう。ペニスの皮が切れるのを防ぐためには、以下の5つを実践しましょう。
- 正しい洗浄
- 適切な保湿
- 潤滑剤(ローション)の使用
- 生活習慣の改善
- 定期的なセルフチェック
適切なケアを行うことで、皮が切れるトラブルを防ぎ、快適な生活を送ることができます。心配なことがあれば、一人で悩まず、気軽に医療機関に相談しましょう。
当院では、ペニスの皮トラブルにも対応しています。診察カウンセリングを無料で行っておりますので、ご予約のうえご来院ください。
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参考文献
- Cale Leeson, Humberto Vigil, Luke Witherspoon.Foreskin care: Hygiene, importance of counselling, and management of common complications.Can Fam Physician,2025,71,2,p.97-102
- Mingyue Wang, Xinghua Gao, Li Zhang.Advances in the study of the correlation between balanoposthitis and skin microecology.Front Microbiol,2025,16,p.1564675
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)