【医師監修】真性包茎の手術が必要なケースと費用相場|クリニック選びのコツまで解説
- 更新日:2025.07.30
- 投稿日:2025.07.30

真性包茎だけど自分は手術が必要なのか、と誰にも相談できずに一人で抱え込んでいる方も多いです。真性包茎は、放置することで亀頭包皮炎を繰り返したり、排尿時に不便を感じたりと、身体的トラブルを起こす可能性があります。
この記事では、医師の視点から手術を検討すべき具体的なケースを詳しく解説します。さらに、気になる手術方法や費用、後悔しないクリニック選びのコツまで紹介しています。悩みを軽減し、自信を持つきっかけになることもありますので、ぜひ最後までお読みください。
当院では、真性包茎にお悩みの方の相談にも対応しております。無料の診察カウンセリングを行っておりますので、一人で抱え込まずにまずはご相談ください。
>>予約から治療の流れについて
真性包茎で手術が必要なケース
真性包茎で手術が必要なケースは、以下のとおりです。
- 亀頭包皮炎を繰り返している
- 排尿障害がある
- 悪臭がする
- 心理的苦痛がある
ご紹介するケースに当てはまる場合は、一度ご相談することをおすすめします。
亀頭包皮炎を繰り返している
亀頭包皮炎を何度も繰り返している場合は、真性包茎が根本原因である可能性が高く、手術による根本的な対応が必要になる可能性があります。真性包茎では亀頭が常に包皮に覆われているため、内側を十分に洗浄できず、尿や汗、古い角質が混ざった恥垢が溜まりやすいです。
包皮の適切なケアを行わないと、亀頭包皮炎や尿路感染症などの合併症リスクが高まることが報告されており、衛生管理の重要性が指摘されています。亀頭包皮炎の主な症状は以下のとおりです。
- 亀頭や包皮の赤みや腫れ
- かゆみやヒリヒリする痛み
- 膿が出ることがある
一時的に炎症が治まっても、包皮の状態が改善されない限り再発しやすいです。症状が慢性化すると皮膚が硬くなり、さらに剥けなくなる「瘢痕性包茎」へと進行することもあります。生活の質が低下する前に、早めに医師へ相談し、根本的な治療を検討することが望ましい状態です。
繰り返す炎症は、包皮の構造やケア不足に原因があることが多く、注意が必要です。以下の記事では、包皮炎が自然に治る場合と治らない場合の違いや、放置によるリスク、適切な対処法について詳しく解説しています。
>>包皮炎が治らない原因とは?効果が期待できる治療法と再発防止策を解説
排尿障害がある
排尿に不便を感じている場合、真性包茎による機能的な障害の可能性があり、手術を検討すべき重要なサインです。真性包茎では、包皮の出口が狭くなっているため、尿の通過がスムーズにいかず、さまざまな排尿トラブルを引き起こします。尿がまっすぐ飛ばず飛散したり、包皮が風船のように膨らんだりすることがあります。
尿の勢いが弱くなる、排尿後に尿が垂れる症状も見られ、日常生活が不便に感じるだけでなく、精神的なストレスにつながります。特に包皮が膨らむ状態は、進行すると排尿困難や感染のリスクも高まります。
悪臭がする
入浴していてもペニス周辺の臭いが気になる場合は、真性包茎で不衛生になっている可能性が高く、治療を検討すべきサインです。真性包茎では亀頭を露出して洗うことができず、包皮内に臭いの元になる恥垢が溜まりやすくなります。恥垢そのものに加え、細菌の繁殖によって悪臭が強くなることがあります。臭いに関するよくある悩みは、以下のとおりです。
- 自分の臭いが常に気になる
- パートナーに不快感を与えていないか不安
- 温泉や性行為で自信が持てない
表面をいくら洗浄しても、包皮の内側までは清潔にできません。
心理的苦痛がある
身体的な不便さだけでなく、精神的な負担も手術を考える立派な理由です。 見た目のコンプレックスは、生活の質(QOL)を大きく低下させます。よくある心理的なお悩みは、以下のとおりです。
- 他人と違うのではないかという劣等感や羞恥心
- 温泉やサウナなどで、人の目が気になってしまう
- 性生活で見た目を気にしてしまい、行為に集中できない
- 将来、介護される際に介護者に負担をかけるのではと不安になる
「見た目の問題だけで手術なんて」と考える必要は全くありません。 ご自身が抱えるストレスから解放され、自信を取り戻すことが大切です。 手術を受けて前向きになったと感じる方もいます。診察時に悩みを打ち明けるだけでも、気持ちは楽になります。 一人で抱え込まず、まずは専門家にご相談ください。
真性包茎の手術方法
真性包茎の手術方法は以下のとおりです。
- 環状切除術
- 背面切開術
環状切除術
環状切除術は、真性包茎の治療として最も一般的で信頼性の高い手術方法です。 余分な包皮をぐるりと一周切除し、亀頭を露出させることで、汚れの蓄積を防ぎ、炎症の予防も期待できます。見た目や仕上がりの満足度には医師の技術や術後のケアが大きく影響するため、クリニック選びも重要です。
以下に、環状切除術の特徴を表にまとめます。
項目 |
内容 |
手術の目的 |
余分な包皮を一周切除し、亀頭を露出させる |
主なメリット |
・清潔を保ちやすくなる ・恥垢や炎症のリスクが軽減される |
主なデメリット |
・仕上がりに医師の技術差が出やすい ・皮膚の色の違い(ツートンカラー)が目立つことがある |
仕上がりへの工夫 |
・手術跡を亀頭の下に隠すように縫合 ・術後の腫れや瘢痕を抑える薬剤を活用し、きれいな治癒を目指す |
見た目の仕上がりを重視する場合は、術後ケアや縫合技術にも配慮している医療機関を選ぶことが重要です。
背面切開術
背面切開術は、包皮の強い狭窄やカントン包茎など、緊急性の高い状態に対処するために行われる手術であり、機能面の改善を目的とした方法です。包皮を一周切除する環状切除術とは異なり、ペニスの背面側(上側)を縦に一本切開することで、狭くなった部分の圧迫を解消します。背面切開術の特徴を以下の比較表でまとめます。
項目 |
内容 |
手術の目的 |
狭くなった包皮の部分だけを縦に切開し、圧迫を解消する |
主なメリット |
・施術時間が短い ・緊急時の対応に適している ・体への負担が比較的少ない |
主なデメリット |
・縦に手術跡が残ることがある ・dog-ear変形を起こすことがある ・余分な包皮が残り、汚れやすい環境が完全に解消されない |
主な適応例 |
カントン包茎などの早急な処置が必要なケース |
背面切開術は見た目の改善よりも「今すぐ圧迫を解除する」ことが目的の治療です。症状や希望に応じて、他の術式との違いを医師とよく相談することが大切です。
ただし、真性包茎の根本的な改善を目指す場合には、見た目や衛生面の配慮も含めた手術選びが重要です。治療にはいくつかの選択肢があり、それぞれにメリットと注意点があります。以下の記事では、真性包茎の治療方法としてどのような手術があるのか、後悔しないために知っておきたいポイントを解説しています。
>>真性包茎の治し方はある?手術のメリットと後悔しないための注意点
手術にかかる費用のポイント
「保険は使えるの?」「だいたい、いくらかかるの?」 などの疑問や不安は、治療を決断するうえで大きな壁です。手術にかかる費用のポイントについて、以下の3つを解説します。
- 包茎手術の保険適用は難しい
- 自由診療の費用目安は10~30万円が多い
- 安すぎる広告に気をつける
安心して手術に臨むためには、費用の仕組みを正しく知りましょう。
包茎手術の保険適用は難しい
包茎手術はすべてのケースで健康保険が適用されるわけではなく、真性包茎と緊急手術が必要なカントン包茎に限られます。健康保険は病気や怪我の治療が対象となるため、見た目の改善やコンプレックス解消などの「美容目的」や症状悪化予防などの「予防目的」の場合は「自由診療」になり、費用は全額自己負担です。
保険が使えるかどうかは医師の診察を受けて確認しましょう。また、保険診療は保険医療機関の指定を受けた医療機関でしか受けることができません。保険医療機関の指定を受けているかどうかは各地域の厚生局のホームページで確認できます。保険診療と自由診療についての費用や仕上がりは、以下の表でまとめています。
比較項目 |
保険診療 |
自由診療 |
目的 |
病気・怪我の治療 |
美容的な仕上がりの向上、コンプレックス解消、将来の症状悪化予防 |
費用 |
約3割負担(数万円程度) 受診する度に費用(再診料・処置料)が必要 |
全額自己負担(10万円~) アフターケア費用は医療機関により異なる(下記参照) |
術式 |
病気・怪我の治療を目的とした基本的な術式 |
美容・見た目重視の術式を選択可能 |
仕上がり |
美容・見た目は重視されない |
より自然で美しい見た目を追求できる |
※自由診療の場合、アフターケア費用は医療機関の方針によって異なります。アフターケアの度に費用が発生する医療機関もあれば、一定期間・一定回数のアフターケアが無料のクリニックもあります。
治療の目的によって保険適用の可否は異なるため、まずは経験豊富な医師に相談することが大切です。
自由診療の費用目安は10~30万円が多い
自由診療による包茎手術の費用は、一般的に10~30万円程度が目安とされています。金額には幅がありますが、手術方法や麻酔の種類、アフターケアの内容など、料金に含まれる項目がクリニックごとに異なるためです。美容縫合など見た目に配慮した術式や、痛みを抑えるための麻酔方法によっても費用が変動します。
診察を受ける際は、追加費用が発生しないかを必ず確認しましょう。支払い方法についても、分割払いや医療ローンに対応している場合がありますので、遠慮せずに相談することが大切です。
安すぎる広告に気をつける
包茎手術を検討する際、価格の安さだけでクリニックを選ぶのは危険です。「手術数万円〜」といった広告は魅力的に見えますが、実際には基本料金のみを記載している可能性があります。必要な処置がオプション扱いで、結果として想定以上の費用がかかることもあります。安すぎる広告に潜む注意点は、以下のとおりです。
-
- 高額なオプション費用が加算される
- アフターケアがすべて別料金になっている
- 見た目を重視しない基本術式が前提になっている
費用だけで判断せず、説明の丁寧さや対応の誠実さなども含めて信頼できる医療機関を選ぶことが大切です。
包茎手術を受けるクリニック選びのコツ
包茎手術を受けるクリニック選びのコツは、以下の4つです。
- 経験豊富な医師
- 明瞭な費用体系
- 丁寧な診察
- アフターフォローの内容
経験豊富な医師
包茎手術を安心して受けるためには、費用の内訳が明確に示されているかを事前に確認することが大切です。自由診療ではクリニックごとに料金設定が異なり、広告に表示されている金額が実際の総額とは限りません。手術後に予想外の費用がかかることを防ぐためにも、細かく確認しておく必要があります。
費用面でのチェックポイントについては以下のとおりです。
- 提示金額が診察〜アフターケアまで含んだ総額か
- オプション追加やトラブル時の料金が明示されているか
- 支払い方法に選択肢(分割・カードなど)があるか
診察・相談時は、口頭だけでなく書面で見積もりをもらい、内容に納得したうえで契約するようにしましょう。
丁寧な診察
包茎手術を検討するうえで、医師が納得できるまで相談に応じてくれるかどうかも、重要な判断基準です。診察は単なる説明の場ではなく、ご自身の悩みや不安を医師にしっかり伝え、納得して治療に臨むための大切な時間です。信頼できるクリニックは、診察の質にも配慮し、患者の立場に寄り添った対応を行います。
丁寧な診察かどうかを見極めるポイントは以下のとおりです。
- 話を丁寧に聞き、十分な時間を取ってくれるか
- 専門用語ばかりでなく、わかりやすい説明があるか
- 複数の術式を提案し、公平に説明してくれるか
- 質問しやすい雰囲気があるか
疑問が残ったまま契約を急ぐ必要はありません。不安がある場合は一度持ち帰って、冷静に判断することも大切です。納得できるまで丁寧に説明・相談に乗ってくれる医師を選びましょう。
アフターフォローの内容
包茎手術は、術後のサポート体制がしっかりしているクリニックを選ぶことが、安心と満足につながります。 手術後は痛みや腫れ、手術の治りなど、気になることが出てくる可能性があります。万が一のトラブルに備える意味でも、アフターフォローの充実度は重要です。サポート内容を確認するポイントは以下のとおりです。
- 術後の定期診察が料金に含まれているか
- 夜間や休日に緊急対応が可能か
- 気軽に相談できる窓口があるか
- 修正手術などの保証制度があるか
不安が残る中での回復は大きなストレスです。術後も寄り添い、必要なサポートを提供してくれる体制が整ったクリニックを選びましょう。
まとめ
真性包茎の悩みは、炎症や排尿障害といった身体的な不便さだけでなく、見た目のコンプレックスなど、とてもデリケートな問題です。 手術は、そうした長年の悩みから解放され、自信を取り戻すための大切な一歩になります。大切なのは、一人で抱え込まず、まずは専門家へ相談することです。
信頼できるクリニックで診察・相談をし、ご自身が納得できる治療を選ぶことが、後悔しないための何よりの近道です。この記事が、あなたの悩みを解消し、前向きな一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
なお、真性包茎に悩む多くの方が、「そもそもなぜ自分がこうなったのか?」という原因や背景に不安や疑問を感じています。原因を知ることは、適切な対処や予防にもつながります。以下の記事では、真性包茎が起こる原因やその仕組み、放置することで生じるリスクについて詳しく解説しています。
>>真性包茎の原因とは?症状やメカニズム、放置が危険な理由を解説|MSクリニック横浜
参考文献
Leeson C, Vigil H, Witherspoon L. Foreskin care: Hygiene, importance of counselling, and management of common complications. Can Fam Physician, 2025, 71(2), pp. 97–102.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)