真性包茎でもセックスはできる?真性包茎のリスクや正しいケア方法を紹介|MSクリニック横浜
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真性包茎でもセックスはできる?真性包茎のリスクや正しいケア方法を紹介

  • 更新日:2025.07.30
  • 投稿日:2025.07.30
真性包茎でもセックスはできる?真性包茎のリスクや正しいケア方法を紹介

真性包茎でもセックスはできるのか、痛みはないのか、パートナーにどう思われるかと、心配になるのは自然なことです。デリケートな問題だからこそ、誰にも相談できず一人で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。真性包茎のまま行う性行為は、痛みや裂傷(れっしょう)のリスクがあります。

真性包茎の状態での性行為は、亀頭包皮炎の悪化や性感染症の可能性も潜んでいます。リスクはご自身とパートナーの双方にあり、放置することで、関係性に影響を与えてしまう可能性もゼロではありません。

この記事では、真性包茎の性行為の不安を解消するために、真性包茎の正しい知識とケア方法、根本的な治療法までを解説します。あなたと大切な人のために、まずは正しい知識を身につけ、自信を取り戻す一歩を踏み出しましょう。

当院では、真性包茎にお悩みの方の相談にも対応しております。無料の診察カウンセリングを行っておりますので、一人で抱え込まずにまずはご相談ください。
>>予約から治療の流れについて

安心の包茎手術、男性医師が初診から対応_MSクリニック

真性包茎とは亀頭を露出できない状態

真性包茎とは、勃起していないときも勃起したときも、亀頭が包皮に完全に覆われている状態を指します。手を使っても亀頭を全く露出できません。ご自身の状態を正しく知るために、以下の表で包茎の種類を確認してみましょう。

包茎の種類

状態

真性包茎

包皮の先端が狭くなっており、亀頭を全く露出できない包茎

仮性包茎

一見すると包皮が亀頭を覆っているように見えるが、手で簡単に剥ける包茎

カントン包茎

・包皮が亀頭直下に嵌まり込んだ状態を嵌頓と呼び、嵌頓を起こす包茎
・仮性包茎の一種

子どもの頃は誰でも包茎の状態にあります。体の成長とともに、自然に包皮がむけていきます。思春期を過ぎても亀頭が露出しない場合、自然な改善はあまり期待できません。包皮の先端が硬いゴムのようになっている場合は、瘢痕(はんこん)化しているサインです。

炎症を繰り返すことで包皮はさらに硬くなり、包茎の状態が悪化する可能性もあります。状態が悪化した包茎は、見た目だけでなく衛生状態や性生活にも関わるため、正しい理解が大切です。

特に、勃起時に痛みを感じる場合は、包皮の狭さや瘢痕化による圧迫が関係していることがあり、放置すると性生活に支障をきたすリスクもあります。以下の記事では、真性包茎で勃起時に痛みが生じる原因や、治療法・セルフケアの方法を解説しています
>>真性包茎で勃起時に痛むのはなぜ?真性包茎の治療法と自分でできるケア方法

真性包茎がセックスに与えるリスク

真性包茎がセックスに与えるリスクは、以下のとおりです。

  • 亀頭包皮炎の悪化
  • 性感染症のリスク

亀頭包皮炎の悪化

真性包茎は、セックスによる細菌混入が引き金となり、亀頭包皮炎を発症したり、悪化させたりするリスクがあります。亀頭包皮炎を繰り返すと、炎症のダメージで包皮はさらに瘢痕化が進みます。瘢痕化が進むことで、汚れが溜まりやすくなる悪循環に陥る可能性があるのです。

亀頭と包皮の間には、皮脂や尿の残り、古い皮膚などが混ざった「恥垢(ちこう)」が溜まりやすくなります。真性包茎では亀頭を露出させて十分に洗えないため、恥垢が溜まり続け、細菌が繁殖しやすい温床になってしまうのです。恥垢が溜まる不衛生な状態でセックスを行うと、以下のトラブルが起こりやすくなります。

  • 摩擦による炎症の誘発:赤みや腫れ、かゆみ、痛みなどの症状がある
  • パートナーへの影響:膣内に入った細菌が、膣炎などを引き起こす
  • 悪臭の原因:恥垢特有の強い臭いにより、パートナーに不快感を与える

包皮の炎症を繰り返す背景には、包皮炎が適切に治療されずに放置されているケースも少なくありません。自然に治ることもありますが、悪化や再発を防ぐためには、正しい対処が重要です。以下の記事では、包皮炎が自然に治るのかどうか、その判断基準や放置によるリスク、そして効果的な治療法について詳しく解説しています。
>>包皮炎は自然に治るもの?放置の危険性と適切な対処法を解説

性感染症のリスク

真性包茎は、性感染症(STD)にかかるリスクやパートナーに移してしまうリスクを高める要因と考えられています。主に、以下の2つの理由があります。

  • 亀頭粘膜の弱さと微小な傷
  • 不衛生な環境とコンドームの問題

包皮に常に覆われている亀頭の粘膜は、露出している皮膚に比べて薄くデリケートです。亀頭がデリケートなため、セックス時の摩擦によって目に見えないほどの小さな傷が付きやすくなります。小さな傷から、HIV(エイズ)や梅毒、性器ヘルペスなどの性感染症の原因となるウイルスや細菌が体内に侵入しやすいです。

包皮の内側は恥垢が溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい環境です。パートナーが性感染症に感染していた場合、病原体が包皮内に長く残りやすく、感染リスクが高まります。真性包茎ではコンドームが性交中にずれることもあります。

コンドームがずれたり外れたりすると、避妊や性感染症予防の効果が十分に得られないことも知っておきましょう。

真性包茎の治療法

真性包茎の代表的な治療法は、以下のとおりです。

  • ステロイド外用薬
  • 環状切除術
  • 背面切開術

ステロイド外用薬

ステロイド外用薬は、手術以外の治療法の一つです。ステロイド外用薬には、皮膚を柔らかくして、伸びやすくする作用があります。包皮の先端の狭い部分に塗ることで、亀頭を露出しやすくする効果が期待できます。ステロイド外用薬での治療が向いている方は、以下のとおりです。

  • 炎症を繰り返しておらず、包皮の先端がまだ柔らかい方
  • 体の成長段階にあるお子さんや若年層の方

具体的な使い方は、以下のとおりです。

  • お風呂などで体を清潔にする
  • 医師に指示された量の薬を、包皮の最も狭い部分に塗る
  • 痛みを感じない範囲で、優しく包皮を引っ張るストレッチをする

瘢痕化の状態では、ステロイド外用薬だけで十分な効果を期待するのは難しいです。ステロイド薬は長期間自己判断で使うと、皮膚が薄くなるなどの副作用のリスクがあります。必ず経験豊富な医師の診断と指導のもとで、決められた期間と量を守って使用しましょう。

環状切除術

環状切除術は、真性包茎の治療として世界中で最も標準的に行われている手術の一つです。亀頭の露出を妨げている余分な包皮を環状に切除して縫い合わせます。狭くなっている部分を物理的に取り除くため、包茎が再発する可能性は低く、根本的な解決を目指せるのが大きな特徴です。

メリット・デメリットを以下の表にまとめました。

メリット

デメリット・注意点

衛生状態が改善される

手術なので回復期間(ダウンタイム)が必要

恥垢が溜まらず、臭いや炎症のリスクが減る

術後に手術跡が残る(徐々に目立たなくなる)

保険適用になる

仕上がりの見た目は執刀医の技術に影響されることがある

 

美容目的の場合は自費診療
※基本料金:99,000円(税込)〜

長年悩んでいた痛みや衛生上の問題が改善し、自信を取り戻すきっかけにもなる手術です。包茎手術に保険が適用されるのは、真性包茎と緊急手術が必要なカントン包茎に限られ、病気や怪我と同じ「疾病」と診断された場合です。当院では、機能の改善だけでなく目立たない手術跡、見た目の美しさにもこだわった丁寧な手術を心がけているため、自由診療となります。

背面切開術

背面切開術は、包皮をすべて切除する環状切除術と違い、包皮の一部だけを切開して出口を広げる手術です。多くの場合、ペニスの背中側にあたる部分を縦に切り、横方向に縫い合わせて出口を確保します。背面切開術は、包皮を温存できるのが特徴です。

また、無理に包皮を剥いて元に戻らなくなり、亀頭が圧迫されて血流が悪くなるカントン包茎で、緊急性が高く治療が必要な場合にも背面切開術は用いられています。背面切開術の注意点は、以下のとおりです。

  • 再狭窄(さいきょうさく)のリスク:切開した部分が治る過程で、再び狭くなる可能性がある
  • 見た目の問題:縫合の仕方で、包皮の形が変化する可能性がある
  • 適応が限られる:状態によって向き不向きがある(包皮の狭い部分が短いなど)

どの手術方法が適切かは、患者さん一人ひとりの状態とご希望を丁寧に伺ったうえで、専門の医師が総合的に判断します。まずはご自身の状態を知るためにも、お気軽にご相談ください。

真性包茎でセックスする正しいケア方法

真性包茎だからといって、セックスを諦める必要はありません。真性包茎でセックスする正しいケア方法は以下のとおりです。

  • セックス前後に洗浄する
  • 強引に包皮を剥かない
  • 潤滑剤(ローション)を活用する
  • コンドームを正しく活用する
  • 痛みがあるときは無理をしない
  • パートナーと話し合う

セックス前後に洗浄する

清潔を保つことは、真性包茎の方がセックスをするうえで、最も基本的で重要なケアです。セックスの前後では、必ず洗浄する習慣をつけましょう。正しい洗浄ポイントは、以下のとおりです。

  • お湯の温度:ぬるま湯を使う
  • 洗浄剤の選び方:低刺激性のボディソープなどを使う
  • 洗い方の注意点:指で優しく広げ、洗える範囲の汚れを洗い流す
  • すすぎと乾燥:しっかりすすぎ、洗浄後は清潔で柔らかいタオルで優しく押さえる

日頃から丁寧な洗浄を心がけることが、感染症などの合併症リスクを減らすための第一歩です。海外の医療機関でも、適切な陰茎の衛生管理と、 診察を受ける重要性が強調されています。カナダの医療機関による研究では、包皮ケアにおいて医療者の適切な診察が、患者の理解と実践への貢献が示されています。

合併症の多くが間違ったケアによるものであり、専門医の指導が重要です。当院でも、こうした医学的根拠にもとづき、一人ひとりに合わせた具体的なケア方法をお伝えしています。

強引に包皮を剥かない

亀頭を露出させたいからといって、包皮を無理に強く引っ張る、剥こうとするのは危険です。真性包茎は包皮口が狭いため、強く引くと簡単に切れたり裂けたりします。簡単に切れや裂けの生じる状態を「裂創(れっそう)」と呼び、以下のさまざまな問題につながる可能性があります。

  • 行為中に強い痛みと出血
  • 亀頭包皮炎の悪化や性感染症
  • 傷が治る過程での瘢痕化と悪化

市販の矯正リングや輪ゴムなどを使った自己流のケアはやめてください。血流を妨げてペニスに重大なダメージを引き起こしたり、うっ血させたりする危険があります。

潤滑剤(ローション)を活用する

セックス時の痛みを和らげるために、潤滑剤(ローション)の活用はとても有効な方法です。潤滑剤は、摩擦を軽減し、スムーズな挿入を助ける役割を果たします。ご自身の体を守るためにも、適切に活用することが推奨されます。潤滑剤について、以下の表にまとめました。

 

水溶性(ウォーターベース)

油性(オイルベース)

おすすめ度

最もおすすめ

推奨されない

主な特徴

・コンドームを傷めない
・水やお湯で簡単に洗い流せる

ゴムを劣化させ、コンドームが破れる

使用後の後処理

水やお湯で簡単に洗い流せる

落としにくい

コンドームとの併用

問題なし

使用不可

効果を期待できる使い方

ご自身のペニスだけでなく、パートナーの体にも塗布する

使用量の目安

痛みや引っかかりを感じないよう、量は惜しまずに使う

潤滑剤はあくまで一時的に痛みを緩和する対症療法です。真性包茎の状態が改善するわけではありません。

コンドームを正しく活用する

真性包茎の方がコンドームを使う際のポイントは、以下のとおりです。

  • 装着方法:包皮が被ったままでも装着は可能
  • 潤滑剤の併用:潤滑剤付きのコンドームや、コンドームの上から水溶性の潤滑剤を追加
  • サイズの確認:ご自身に合ったサイズ

コンドーム装着時、無理に包皮を剥いてから着けようとすると、痛みや裂傷の原因になるため避けてください。きつすぎるコンドームは、締め付けによる痛みや破損の原因になります。正しいコンドームの使用は、ご自身と大切なパートナーの健康を守るための、思いやりであり、責任ある行動です。

痛みがあるときは無理をしない

痛みを我慢して行為を続けることはやめましょう。包皮が裂けて出血したり、炎症が悪化したりする原因になります。一度痛い経験をすると「また痛むかもしれない」と不安や恐怖心が生まれます。不安や恐怖心により、セックス自体が苦痛になってしまう「性交痛」の原因になることもあります。

パートナーと話し合う

真性包茎の悩みは、一人で抱え込まずに、勇気を出してパートナーに話してみることが大切です。痛みの我慢や、無意識にセックスを避けていると、パートナーと誤解が生じ、二人の関係に溝が生まれる可能性があります。正直に話し合うことで、パートナーはあなたの体の状態と悩みを理解し、きっと協力してくれるはずです。

対話の手順は以下のとおりです。

  1. 自分の状態を伝える:「実は真性包茎で、包皮の先が狭いんだ」
  2. リスクを話す:「セックスのときに痛みや裂ける可能性がある」 
  3. 衛生上で安心してもらう:「清潔にしているから心配しないで」
  4. 協力をお願いする:「痛いときは無理せず中断・ローションを使いたい」

信頼できるパートナーとの対話は、不安を和らげ、二人の信頼関係をより深めるきっかけにもなります。

真性包茎で医療機関を受診する目安

真性包茎で医療機関を受診する目安は以下のとおりです。

  • セックス時に痛みがある
  • 炎症を繰り返している
  • 心理的なストレスが強い

セックス時に痛みがある

セックスのたびに痛みを感じるのであれば、医療機関を受診するべき、明確なサインです。痛みを我慢して放置すると、心と体に以下の問題を引き起こす可能性があります。

  • 性交痛や性行為への恐怖心
  • 裂傷と感染のリスク

痛みは、あなたの体が発している危険信号です。無理に痛みのあるセックスを続ける必要はありません。治療によって痛みが解消されれば、安心してパートナーとの関係を築くことができます。

炎症を繰り返している

亀頭や包皮に、赤みやかゆみ・腫れ・膿といった症状が繰り返し起こる場合も、受診をおすすめします。亀頭包皮炎を繰り返すリスクについては、以下のとおりです。

項目

内容

症状の悪循環

炎症によるダメージが積み重なると、皮膚が硬くなる瘢痕化が起こる

パートナーへの影響

細菌がセックスで体内に入り膣炎などの原因になり、恥垢の強い臭いが関係に影響を与える

将来的なリスク

慢性的な炎症が長期化すると、陰茎がんのリスクを高める要因になりうる

衛生状態を清潔に保ち、将来のリスクを減らすためにも、経験豊富な医師による診断と治療の検討が大切です。

心理的なストレスが強い

痛みや炎症などの身体的な症状がなくても、真性包茎が大きな心の負担なら、受診を検討する十分な理由です。体の問題は、心の問題と密接につながっているからです。よくある悩みについては、以下のとおりです。

  • 見た目へのコンプレックス
  • 他人の目が気になる
  • 性生活への不安や消極性

心理的なストレスは、一人で抱え込むと、悩みが深刻化しやすくなります。治療によってコンプレックスから解放されることで、自分に自信を取り戻すことができます。当院では、プライバシーに最大限配慮した環境を整えています。不安や悩みを抱えている方はお気軽にご相談ください。

まとめ

真性包茎のままでもセックスは可能ですが、痛みや感染症などのリスクを正しく理解することが大切です。潤滑剤(ローション)の活用や丁寧な洗浄といったセルフケアは、ご自身とパートナーを守るために重要です。

もし痛みを我慢していたり、強いコンプレックスを感じていたりするなら、一人で抱え込まずに専門のクリニックへ相談しましょう。治療により悩みの軽減が期待でき、前向きな生活を目指せます。まずは勇気を出して、経験豊富な医師に話を聞いてもらうことから始めてみませんか。

以下の記事では、真性包茎の主な原因やその症状、放置が招くリスクについて詳しく解説しています。
>>真性包茎の原因とは?症状やメカニズム、放置が危険な理由を解説

参考文献

Cale Leeson, Humberto Vigil, Luke Witherspoon.Foreskin care: Hygiene, importance of counselling, and management of common complications.Can Fam Physician,2025,71,2,p.97-102

 

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)