早漏は何分からが基準?時間の目安と改善するための対策を解説
- 更新日:2025.06.25
- 投稿日:2025.06.25

「性行為は何分続けば正常なのか?」そんな疑問や不安を抱えていませんか?実は、早漏の診断は時間だけで決まるものではなく、射精のコントロール感や性行為への苦痛の有無も重要な要素です。
早漏は、医学的には一般的に挿入から1~2分以内に射精してしまう状態を指します。ただし、それは決して恥ずかしいことではありません。大切なのは、あなた自身が性生活に満足しているかどうかという点です。原因には、心理的なものや身体的なもの、生活習慣の影響など、さまざまな要素が関係しています。
この記事では、早漏の基準時間や具体的な症状、原因、そして最新の治療法まで、幅広く解説します。一人で抱え込まず、自分らしい満足のいく性生活を目指すヒントを見つけていきましょう。
以下の記事では、早漏に悩む方に向けて、MSクリニック横浜で行われている具体的な治療内容や、早漏の要因についても解説しています。亀頭の敏感さを改善したい、射精を自由にコントロールしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
>>MSクリニック横浜の早漏治療のポイント
早漏とは挿入から1~2分で射精してしまうこと
早漏とは挿入から1~2分で射精してしまうことです。1~2分という時間はあくまで目安であり、早漏の診断は時間だけで決まるものではありません。国際性医学学会(ISSM)では、膣挿入後約1分以内を目安としていますが、あくまで一つの基準です。より客観的な指標として、IELT(陰道内射精潜時)という指標があります。
IELTとは、膣挿入から射精までの時間を計測したもので、18~30歳の平均は約6.5分と報告されています。性的満足度だけでなく、精神的なストレスや自信の喪失にもつながることがあります。「もしかしたら早漏かもしれない」と悩んでいる方は、一人で抱え込まずに、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
早漏の時間以外の症状
早漏の時間以外の症状は以下のとおりです。
- 射精をコントロールできない
- 性行為に対して苦痛を感じる
ご自身の状況を振り返りながら、考えてみましょう。
射精をコントロールできない
早漏の大きな特徴の一つは「射精のタイミングをコントロールできない」という感覚です。射精が迫っているサインに気づいてから、実際に射精するまでの時間が極端に短いか、あるいは全くない状態を想像しましょう。射精を遅らせようという意志に反して全くコントロールできなかった場合は、早漏と診断される可能性があります。
挿入後1分以内に射精した場合でも、射精タイミングをコントロールできていて、かつパートナーとの性生活に満足していれば、必ずしも早漏と診断されるわけではありません。挿入後2~3分後に射精した場合でも、コントロールができていない場合は早漏と判断されることもあります。
射精のコントロール感は、パートナーとのコミュニケーションにも大きく影響します。パートナーに申し訳ない気持ちになったり、性行為自体を避けたりして、2人の関係に溝ができてしまう可能性も懸念されます。
性行為に対して苦痛を感じる
早漏は、身体の反応としての症状だけでなく、精神的なストレスを伴うこともあります。性行為に対して「また失敗するのではないか」といった不安やプレッシャーを感じることもあり、射精のタイミングに関して自分自身に恥ずかしさや後ろめたさを感じるケースも見受けられます。
単に射精のタイミングが早いだけでなく、日常生活にまで影響が出ている状態は、早急に専門家への相談が必要です。
早漏の種類
早漏は大きく分けて、生涯早漏と後天性早漏の2種類に分類されます。実は、射精のタイミングが早いと感じる方の多くは、後天性早漏に当てはまります。各種類の詳細について、以下で解説します。
生涯早漏(終生早漏)
生涯早漏とは、思春期から一貫して射精のタイミングが早い状態が続いている場合を指し「終生早漏」とも呼ばれています。初めて性体験をしたときから早漏の症状があり、性行為の経験を重ねても症状が改善しないことが特徴です。生涯早漏の原因は、主に生物学的な要因が考えられています。
脳内物質であるセロトニンの伝達がうまくいっていない、陰茎の感覚神経が過敏になっている、などが挙げられます。それぞれの要因が複雑に絡み合い、射精のタイミングが早くなってしまうと考えられています。生涯早漏は、生まれつきではありません。
後天的な要因も複雑に絡み合っている可能性も否定できないため、安易に諦めずに、経験豊富な医師に相談してみることをおすすめします。
後天的早漏
後天的早漏とは、これまで正常な射精機能があったにもかかわらず、ある時期から射精のタイミングが早くなってしまうことを指します。これまで性生活に問題がなかったのに、最近になって早漏の症状が現れたという方は、後天的早漏の可能性があります。後天的早漏の原因として、以下が考えられます。
- 心理的な要因
- 生活習慣
- 加齢による変化
- 薬の副作用
強いストレスや不安、過去のトラウマ、パートナーとの関係悪化などが原因で、射精のタイミングが早くなってしまうことがあります。睡眠不足や過度の飲酒、喫煙などの生活習慣の乱れも、後天性早漏の一因となることがあります。
早漏の5つの原因
早漏の5つの原因は以下のとおりです。
- 心理的要因
- 生物学的要因
- 生活習慣
- 薬の副作用
- 加齢による変化
ご自身の早漏の原因を探り、適切な対策を講じるためにも、要因について理解を深めていきましょう。
心理的要因
早漏は身体的な問題だけでなく、心理的な要因が大きく影響している場合もあります。心の状態が身体に影響を及ぼし、早漏の症状を悪化させることがあるのです。主な原因は以下のとおりです。
- 不安やストレス
- トラウマ
- パートナーとの関係
身体的要因
身体的な要因も、早漏に影響を及ぼすことがあり、主な原因は以下のとおりです。
- セロトニン不足
- 甲状腺疾患
- 前立腺疾患
セロトニンは射精の制御に関与しており、不足するとコントロールが困難になります。甲状腺ホルモンのバランスが乱れると性機能に悪影響が出ることもあります。前立腺の病気や陰茎の感覚過敏も原因となることがあり、神経伝達の異常によっても射精のタイミングに影響が出ます。
いずれも自覚しにくく、発見が遅れる傾向があるため、注意が必要です。
生活習慣
日々の生活習慣も、早漏に関係していることがあります。生活習慣の改善は、早漏だけでなく、他の疾患の予防にもつながります。日々の生活で以下の行動をしている方は、注意が必要です。
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 睡眠不足
- 不健康な食生活
薬の副作用
服用している薬の中には、早漏の副作用を引き起こすものがあります。薬を服用している方は、その副作用について理解しておくことが重要です。一部の抗うつ薬は、性機能に影響を及ぼし、早漏の副作用を引き起こす可能性があります。抗うつ薬を服用している方で早漏の症状が現れた場合は、自己判断で服薬を中断しないようにしましょう。
医師に相談し、薬の種類の変更など、適切な対応を検討することが重要です。
加齢による変化
加齢に伴い、性機能は変化していきます。自然な老化現象の一つであり、過度に心配する必要はありません。一般的に、加齢とともに射精までの時間は短くなる傾向があります。自然な変化であり、必ずしも早漏の症状ではありません。しかし、急激な変化や、性生活に支障が出るほどの変化がある場合は、医療機関への相談も検討してみましょう。
年齢を重ねるごとに、身体機能は変化していきます。加齢による変化を理解し、適切な対処法を学ぶことで、より健康的な生活を送ることができます。
早漏を改善するための対策
早漏を改善するための対策は以下のとおりです。
- 薬物療法
- 行動療法
- 認知行動療法
- 生活習慣の改善
適切な対策を講じることで、症状を改善し、より満足のいく性生活を送ることができるようになります。
薬物療法
早漏の薬物療法では、脳内物質であるセロトニンの働きを高めることで射精のタイミングをコントロールしやすくする薬が用いられます。代表的な薬として、ダポキセチンという成分の薬があります。ダポキセチンは選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる種類の薬で、性行為の1~3時間前に服用します。
個人差がありますが、多くの場合、服用後すぐに効果が現れ始め、射精までの時間を延長する効果が期待できます。2023年の研究では、早漏治療におけるさまざまな治療法の有効性を検証するために、システマティックレビューとネットワークメタ分析が行われました。
結果、ダポキセチンを含む複数の治療法が、射精時間を延長する効果を持つことが示唆されています。効果や副作用には個人差があるため、必ず医師の指示に従った服用が大切です。
当院では、自由診療(保険適用外)で早漏治療に対応しており、薬物療法は1錠から処方いたします。早漏治療薬(プリリジージェネリック)30mgは1錠1,650円となっています。その他、薬剤注入法(55,000円)、包皮環状切除法(99,000円)、包皮小帯切除法(55,000円)、亀頭冠焼灼法(55,000円)などの治療法もご提供しています。診察は無料ですので、お気軽にご相談ください。
>>早漏改善治療について
行動療法
行動療法は、薬を使わずに、自分自身で射精のコントロールを身につける方法です。射精のメカニズムを理解し、射精をコントロールする技術を習得することで、早漏の改善を目指します。代表的な方法として「スタート&ストップ法」と「スクイーズ法」があります。
スタート&ストップ法は、射精間近になったら性行為を一時中断し、興奮が落ち着いてきたら再開する、という動作をします。動作の繰り返しによって、射精のタイミングをコントロールしていく方法です。
スクイーズ法は、射精間近になったら、パートナーに亀頭を数秒間強く握ってもらうことで、射精を遅らせる方法です。射精の感覚に慣れてコントロール力を高めるためのトレーニングとなります。行動療法は、パートナーとの協力が不可欠です。お互いに理解し合い、協力しながら練習することで、より効果が期待できます。
以下の記事では、スタート&ストップ法やスクイーズ法を含む具体的な早漏改善トレーニングの内容や、無理なく継続するためのコツについて、医師の監修のもとに詳しく解説しています。セルフケアで成果を出したい方は、ぜひ参考にしてください。
>>【医師監修】早漏改善のトレーニング法!効果が期待できる方法と継続のコツ
認知行動療法
認知行動療法は、不安やストレスなどの心理的な問題に対処することで、早漏の改善を目指す方法です。認知行動療法では、自身の思考パターンや行動パターンを見つめ直し、ネガティブな思考を修正していくことで、不安やストレスを軽減します。
パートナーとのコミュニケーションを改善していくことも、早漏改善にもつながる重要な要素です。
生活習慣の改善
早漏の改善策として、生活習慣を見直すことも大切です。喫煙や過度の飲酒、睡眠不足、不健康な食生活などは、身体全体の健康状態を悪化させ、早漏を含むさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。健康的な生活習慣は、早漏の改善だけでなく、心身の健康維持にもつながります。
特に、有酸素運動は、ストレス軽減や血行促進に効果が期待できます。ウォーキングやジョギングなど、無理なく続けられる運動を習慣に取り入れてみましょう。十分な睡眠は、心身の疲労回復に重要です。睡眠不足は、ストレスを増大させ、早漏の悪化につながる可能性があります。
早漏改善のために、どの方法が自分に合っているかわからない場合は、専門の医療機関に相談してみましょう。医師の診察を受け、適切な治療法を選択することが大切です。
まとめ
早漏は挿入後1~2分以内に射精してしまうことを指しますが、時間だけでなく、射精のコントロール感や性行為への苦痛も重要な判断基準です。早漏には、生涯型と後天性の2種類があり、原因も心理的要因や生物学的要因、生活習慣、薬の副作用、加齢などさまざまです。改善策としては、以下のとおりです。
- 薬物療法
- 行動療法
- 認知行動療法
- 生活習慣の改善
上記の方法を組み合わせることで効果を高めることができます。一人で悩まず、専門機関に相談することで、より良い性生活を目指し、パートナーとの関係も良好にしていきましょう。
以下の記事では「早漏とはどこからが該当するのか」といった基準や自己判断の目安について、専門医の見解をもとに詳しく解説しています。ご自身の状態を正しく把握したい方は、ぜひ参考にしてください。
>>早漏の基準と自己判断の目安!専門医が解説する正しい知識
参考文献
- Definition Of Premature Ejaculation By International Society For Sexual Medicine, ScienceDaily,
- Marcel D Waldinger, Paul Quinn, Maria Dilleen, Rajiv Mundayat, Dave H Schweitzer, Mitradev Boolell. A multinational population survey of intravaginal ejaculation latency time. The Journal of Sexual Medicine, 2005, 2(4), p.492-497.
- Hyun Young Lee, Jong Hyun Pyun, Sung Ryul Shim, Jae Heon Kim. Efficacy of Various Treatment in Premature Ejaculation: Systematic Review and Network Meta-Analysis. World Journal of Men’s Health, 2024, 42(2), p.338-346.
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)