包皮炎が治らない原因とは?効果が期待できる治療法と再発防止策を解説|MSクリニック横浜
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包皮炎が治らない原因とは?効果が期待できる治療法と再発防止策を解説

  • 更新日:2025.06.25
  • 投稿日:2025.06.24
包皮炎が治らない原因とは?効果が期待できる治療法と再発防止策を解説

包皮炎によって陰茎に痛みやかゆみ、赤み、腫れなどの症状が現れることがあります。適切な治療によって症状の改善が期待できますが、再発するケースもあるため注意が必要です。カンジダや細菌の混合感染、糖尿病などの基礎疾患、包茎による洗浄不足、性行為による再感染が影響している可能性があります。

この記事では、包皮炎が治らない原因を解説し、効果が期待できる治療法と再発防止策をご紹介します。適切な治療と予防策を行うことで日常生活の支障を抑え、包皮炎の悩みから解放された快適な日々を取り戻しましょう。

以下の記事では、包皮炎は自然に治るのか、放置するとどのようなリスクがあるのかについて、医学的な視点から詳しく解説しています。初期対応やセルフケアについても知りたい方はぜひご覧ください。
>>包皮炎は自然に治るもの?放置の危険性と適切な対処法を解説

安心の包茎手術、男性医師が初診から対応_MSクリニック

包皮炎が治りにくい4つの原因

包皮炎が治りにくい原因は、主に以下の4つです。

  • カンジダ・細菌の混合感染
  • 糖尿病などの基礎疾患
  • 包茎による洗浄不足
  • パートナーとの性行為による再感染

カンジダ・細菌の混合感染

包皮炎の原因はカンジダ菌などの真菌やブドウ球菌、連鎖球菌などの細菌によって引き起こされることがあります。病原体によって治療法が異なり、複数の菌による混合感染が起こると炎症が重症化し、症状が治りにくくなることがあります。主な治療薬は以下のとおりです。

  • カンジダ菌:抗真菌薬
  • 細菌感染:抗菌薬
  • 混合感染:それぞれの菌に適した薬

自己判断で市販薬を使うのは避けましょう。医療機関を受診し顕微鏡検査や培養検査などにより原因となる菌を特定し、適切な治療を受けることが大切です。

糖尿病などの基礎疾患

糖尿病などの基礎疾患があると免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。免疫力が低下すると、細菌やウイルスの感染を防いだり回復を早めたりする効果が十分に発揮されなくなる可能性があります。血糖コントロールが不十分な糖尿病患者さんは、免疫力への影響が大きくなるため注意が必要です。

包皮炎が治りにくいと感じた場合は糖尿病などの基礎疾患の有無を医師に相談し、必要に応じて検査を受けましょう。

包茎による洗浄不足

包茎とは、包皮が長く、普段から亀頭を十分に露出できない状態です。十分な洗浄が難しいため包皮炎を引き起こしやすく、治癒に時間がかかることがあります。恥垢と呼ばれる白い汚れが溜まっている場合、雑菌の温床になりやすいため注意が必要です。清潔に保つには、包皮を優しく剥いて石鹸やボディーソープで丁寧に洗い、よくすすいで乾燥させましょう。

以下の記事では、包茎の原因について、遺伝的な要素や生活習慣との関係性を含めて詳しく解説しています。包茎のタイプやそれぞれに合った対策を知りたい方はぜひご覧ください。
>>【医師監修】包茎の原因とは?遺伝や生活習慣との関連性を徹底解説

パートナーとの性行為による再感染

パートナーとの性行為によって性感染症(STD)に感染し、包皮炎の原因となることがあります。主な性感染症のうち、包皮炎を起こすものは、以下のとおりです。

  • ヘルペス
  • トリコモナス

パートナーが感染症に気づかない場合、治療が完了する前に性行為を行うと再感染を繰り返す可能性があります。「ピンポン感染」と呼ばれる状態を避けるために、パートナーも一緒に検査と治療を受けることが重要です。性行為の際にはコンドームを使用するなど、感染予防対策を行いましょう。

当院では、包皮のかゆみや痛みなどにお悩みの方の相談も受け付けています。無料の診察カウンセリングを行っておりますので、一人で抱え込まずにまずはご相談ください。
>>予約から治療の流れについて

包皮炎の治療法3選と費用

包皮炎の治療は主に薬物療法と手術療法があります。医療機関で検討されることがある治療法について、以下の3つを解説します。

  • 抗真菌薬・抗菌薬
  • 環状切開術
  • 背面切開術

抗真菌薬・抗菌薬

包皮炎の多くは、カンジダ菌などの真菌やブドウ球菌、連鎖球菌などの細菌感染が原因です。原因菌に合わせた抗真菌薬や抗菌薬を使用することで炎症を抑え、症状の改善が期待できます。抗真菌薬には以下の種類があります。

  • 外用薬
  • 軟膏タイプの塗り薬
  • 飲み薬

2024年に発表された中国の専門家による報告では、カンジダ性包皮炎の初期治療には抗真菌薬が推奨されています。抗菌薬は細菌が原因の包皮炎に効果が期待できます。細菌の種類によって適切な抗菌薬が異なるため、自己判断で市販薬を使用せず医師の診断にもとづいて処方を受けることが重要です。

薬を使用しても症状が改善しない場合は医師に相談しましょう。症状が長引くことで他の疾患を併発する可能性もあるため、早めの受診がおすすめです。薬の種類や治療期間によって費用は異なりますが、薬物療法は手術療法と比べて費用負担を軽減できる場合があります。不安な方は事前に医療機関で確認しましょう。

環状切開術

環状切開術は包皮の先端部分を環状に切除する手術で、亀頭を露出させ洗いやすくなる可能性があります。術後は衛生管理がしやすくなるため、長期的なメリットも期待できます。包茎によって包皮炎を繰り返す場合、亀頭を清潔に保つことで再発予防につながり、性感染症のリスク軽減を目指すこともできます。

背面切開術

背面切開術は包皮の上部を切開する手術です。環状切開術と同様、包茎が原因で包皮炎を繰り返す場合に亀頭を露出させ清潔を保つ効果が期待できます。亀頭の露出を確保しつつ包皮の機能を残すことができますが、術後の跡が目立ちやすいといったデメリットがあります。

施術時間は比較的短く、日帰りで行うこともあります。術後は医師の指示に従い、清潔を保ちながら安静に過ごすことが大切です。費用は医療機関によって異なりますが、健康保険が適用される場合があります。手術を検討している方は医師とよく話し合い、自分に合った治療法を選びましょう。

包皮炎の再発を予防する対策

包皮炎を繰り返すと日常生活に支障が出ることがあります。包皮炎の再発を予防する具体的な対策は以下のとおりです。

  • 陰茎・包皮を正しく洗う
  • 水溶性ローションを使用する
  • 食生活を整える
  • 十分な睡眠を確保する
  • パートナーと同時に治療する
  • 定期的に検診する

陰茎・包皮を正しく洗う

包皮炎の再発予防には、陰茎と包皮を清潔に保つことが大切です。適切な洗浄方法によって細菌や真菌の繁殖を抑え、炎症の再発を防ぐ効果が期待できます。正しい洗い方の手順は以下のとおりです。

  1. 無理に剥かない:痛みがある場合は剥かず、炎症があるときは丁寧に扱う
  2. 泡立てた石鹸を使う:刺激の少ない石鹸を泡立て、指の腹でやさしく洗う
  3. 丁寧に洗う:亀頭と包皮の間の溝を念入りに洗う
  4. しっかりすすぐ:石鹸カスが残らないようシャワーで十分に洗い流す
  5. 乾燥させる:清潔なタオルで水分を拭き取り、しっかり乾かす

毎日朝晩と性行為の後に正しいケアを行うことで、包皮炎の再発を防ぐ効果が期待できます。排尿後や性行為の後は尿や精液などの分泌物が残っているため、しっかりと洗い流すことが大切です

欧米では新生児の包茎手術(割礼)率の低下に伴い、包皮ケアの教育の必要性が高まっているとする報告があります。幼少期の包茎は自然経過を見守る方針が広がっており、セルフケアの重要性が増しています。家庭や医療機関などで適切なケアを学び、将来的な合併症を予防することも重要です。

水溶性ローションを使用する

性行為の際の摩擦は包皮を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。油分を含むローションは皮膚への刺激となるため、水溶性ローションを使用することで摩擦の軽減が期待できます。違和感や痛みがある場合は無理をせず、症状がある間は性行為を控えましょう。

食生活を整える

バランスの良い食生活は免疫力を高め、包皮炎の再発予防が期待できます。野菜や果物、タンパク質、炭水化物など、さまざまな栄養素の摂取がおすすめです。ビタミンやミネラルは免疫力を保つうえで重要な役割を果たすため、積極的に摂取しましょう。日頃から健康的な食生活を心がけることが、症状の再発防止につながります。

十分な睡眠を確保する

睡眠不足は免疫力を低下させ体の抵抗力を弱めるため、包皮炎を含むさまざまな病気のリスクを高める可能性があります。睡眠の質を向上させるおすすめの工夫は、以下のとおりです。

  • 毎日同じ時間に寝起きする
  • 寝る前にカフェインを摂らない
  • 快適な睡眠環境を整える

日々の睡眠習慣を見直し、免疫力を高めて包皮炎の予防を目指しましょう夜更かしや不規則な生活を避けて質の良い睡眠をとることで、体調を整えやすくなります。ストレスをため込まないよう、リラックスできる時間を持つことも大切です。

パートナーと同時に治療する

性感染症が原因の包皮炎では、パートナーも一緒に治療を受けることが大切です。感染したまま性行為を続けると、互いにうつし合う「ピンポン感染」を繰り返す可能性があります。再発を防ぎ良好な健康状態を保つためにも、双方の治療と協力が重要です。

定期的に検診する

定期的な検診は包皮炎の予防効果が期待できます。包皮炎を繰り返す場合や症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。自己判断で市販薬を使ったり放置したりすると症状が悪化し、他の病気を併発する可能性があります。不安がある場合は医師に相談し、早期発見と早期治療によって再発予防を目指しましょう。

まとめ

包皮炎になると陰茎に痛みやかゆみ、赤み、腫れなどの症状が現れることがあります。包皮炎が治らない主な原因は以下のとおりです。

  • 混合感染
  • 基礎疾患
  • 包茎による洗浄不足
  • パートナーとの性行為による再感染

治療法には抗真菌薬や抗菌薬、環状切開術、背面切開術などがあり、原因に合わせて適切な治療を選択することが重要です。手術は日帰りで行える場合が多く、健康保険が適用される場合もあります。包皮炎は適切な治療と日頃のケアで症状の改善が期待できます。おすすめの対策は以下のとおりです。

  • 陰茎・包皮の正しい洗浄
  • 水溶性ローションの使用
  • 食生活・睡眠の改善
  • パートナーとの同時治療
  • 定期検診

一人で悩まず医師に相談し、適切な治療と予防策によって清潔で健康な状態を保ちましょう。自己判断で放置せず、気になる症状があれば早めに受診することが大切です。

MSクリニック横浜では、包茎に起因する包皮炎に対して、医師の判断のもと亀頭直下法による手術療法を行う場合があります。手術により清潔を保ちやすくなり、包皮炎の再発予防効果が期待できます。診察は無料ですので、包皮炎でお困りの方はお気軽にご相談ください。
>>公式サイトはこちら

参考文献

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)