仮性包茎の重度ってどんな状態?放置するリスクと治し方について|MSクリニック横浜
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仮性包茎の重度ってどんな状態?放置するリスクと治し方について

  • 更新日:2025.01.30
  • 投稿日:2025.01.29

多くの男性が密かに抱える「重度の仮性包茎」。実は、放置すると日常生活や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。清潔に保てないことによる不快感や自分自身への精神的な負担など、さまざまな影響があります。

本記事では、重度の仮性包茎の症状や原因、そして具体的な対処法まで、経験豊富な医師の視点から丁寧に解説します。適切なケアと治療を受けることで、症状の改善を目指すことができます。

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重度の仮性包茎とは?症状と原因を解説

重度の仮性包茎は日常生活や性生活に支障をきたす可能性があるため、適切な理解とケアが必要です。以下の3つを解説します。

  • 仮性包茎の定義と分類
  • 重度の仮性包茎の症状
  • 仮性包茎の原因

仮性包茎の定義と分類

仮性包茎とは、一見すると包皮が亀頭を覆っているように見えますが、手で簡単に剥ける状態を指します。包皮は亀頭を乾燥や刺激、感染から守る重要な役割を果たしています。仮性包茎は、程度によって以下の軽度、中度、重度に分類されます。

  • 軽度:包皮を軽く引っ張るだけで亀頭がスムーズに露出します。
  • 中度:少し力を入れると亀頭は出ますが、完全に露出しない場合や、戻ろうとする力が働く場合があります。
  • 重度:勃起時でも亀頭がなかなか出ず、無理に出そうとすると痛みを伴ったり、炎症を起こしたりすることがあります。

小児の場合、生理的包茎の状態であることが多く、成長とともに自然に改善することが多いとされています。一部の男性では仮性包茎の状態が成人期まで続くことがあります。仮性包茎は成人男性の約6〜8割が該当しており、状態によっては必ずしも治療する必要はありません。

以下の記事では、包茎の種類について、より詳しく解説しています。包茎の図もあるので、参考にしてみてください。
>>包茎の種類・包茎とは?

重度の仮性包茎の症状

重度の仮性包茎では、以下のような症状が現れる可能性があります。

  • 亀頭の露出困難:勃起時でも亀頭が完全に露出しません。
  • 痛み:包皮を剥こうとすると痛みを伴います。
  • 不衛生:包皮と亀頭の間に恥垢が溜まりやすく、細菌の温床となる可能性があります。
  • 炎症:恥垢の蓄積や摩擦により、炎症を起こしやすくなります。
  • 性交困難:包皮が邪魔になり、性行為の際に痛みを感じたり、挿入が困難になったりすることがあります。
  • 亀頭の亀裂:乾燥や摩擦、炎症によって、亀頭に亀裂が入ることがあります。

上記の症状は、日常生活や性生活に大きな影響を与える可能性があります。

仮性包茎の原因

仮性包茎の原因は、先天的なものと後天的なものに大別されます。先天的な原因は以下のとおりです。

  • 包皮が長い
  • 包皮の開口部が狭い
  • 遺伝的要因

後天的な原因は以下のとおりです。

  • 慢性的な炎症(例:亀頭包皮炎の繰り返し)
  • ケガによる瘢痕化

上記のように仮性包茎は遺伝的要因も影響していることが考えられます。

仮性包茎になりやすい人の特徴

仮性包茎になりやすい人の特徴は以下のとおりです。

  • 包皮が長い:遺伝的に包皮が長い場合、亀頭を覆う面積が大きくなります。
  • 包皮の開口部が狭い:包皮の先端の穴が小さいため、亀頭が出にくくなります。
  • 家族歴:家族に仮性包茎の人がいる場合、遺伝的に仮性包茎になりやすい可能性があります。

仮性包茎は決して珍しいものではなく、多くの男性が経験します。しかし、重度の仮性包茎はさまざまな問題を引き起こす可能性があるため、適切なケアや治療が必要となる場合があります。

重度の仮性包茎を放置するリスク

重度の仮性包茎は、放置するとさまざまな健康上のリスクをもたらす可能性があります。重度の仮性包茎を放置することで生じる可能性のある問題について、具体的な例を挙げながら解説します。症状が軽く、現在特に問題を感じていない方も、将来的なリスクを理解し、適切な対処法を知ることが重要です。

衛生状態の問題:感染症や炎症のリスク

重度の仮性包茎では、包皮が亀頭を覆い隠しているため、包皮と亀頭の間に垢(恥垢)が溜まりやすくなります。重度の仮性包茎状態は、衛生状態でさまざまな問題を引き起こす可能性があります。

具体的には、以下のようなリスクが高まります。

  • 包皮炎:包皮に炎症が起こり、赤み、腫れ、痛みを伴います。重症化すると膿が出ることもあります。
  • 亀頭炎:亀頭に炎症が起こり、赤み、腫れ、痛みを伴います。亀頭はデリケートな部分のため、炎症を起こすと排尿時に激痛が走る可能性があります。
  • 尿道炎:細菌が尿道に侵入し、炎症を引き起こします。排尿時に焼けるような痛みを感じたり、膿が出たりすることがあります。
  • かゆみや痛み:恥垢の蓄積や炎症により、ペニスにかゆみや痛みを感じることがあります。

上記の問題は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。炎症が悪化すると、仕事や学業に集中できなくなったり、睡眠の質が低下したりする可能性があります。

性生活への影響

重度の仮性包茎は、性生活にもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。具体的には以下の問題が生じる可能性があります。

  • 痛み:性行為の際に、包皮が引っ張られて激しい痛みを感じることがあります。痛みにより、性行為自体を避けるようになる可能性があります。
  • 感度の変化:包皮が亀頭を常に覆っているため、亀頭の感度が低下し、性的満足度が下がることがあります。また、亀頭を露出させると過敏になり早漏の原因となることもあります。
  • 性機能障害:重度の仮性包茎が長期間続くと、勃起障害や射精障害などの性機能障害のリスクが高まる可能性があります。

上記の問題は、単に性生活の質を低下させるだけでなく、パートナーとの関係性にも悪影響を及ぼす可能性があります。

精神的な負担

重度の仮性包茎は、身体的な問題だけでなく、精神的な負担にもなる可能性があります。具体的には以下のような影響が考えられます。

  • 自尊心の低下:自分の身体に対する自信が持てなくなり、深いコンプレックスを抱えることがあります。
  • 不安やストレス:性行為に支障が出ることへの不安や、パートナーにどう思われるかという不安を抱えることがあります。
  • うつ症状:性器へのコンプレックスから、自己肯定感が低下し、うつ病などの精神疾患のリスクが高まる可能性があります。
  • 対人関係の問題:性生活における問題をパートナーに相談できず、コミュニケーションが悪化する可能性があります。

重度の仮性包茎を放置することは、身体的な健康問題だけでなく、性生活や精神的な健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。リスクを認識し、早期に適切な対処を行うことが重要です。症状が軽くても、定期的な自己チェックや経験豊富な医師への相談も検討しましょう。

重度の仮性包茎のケア

重度の仮性包茎のケアは以下のとおりです。

  • 包皮のセルフケア・トレーニング
  • 薬物療法:ステロイド軟膏
  • 手術療法の種類
  • 手術後のケアと注意点

包皮のセルフケア・トレーニング

日々のセルフケアやトレーニングで、重度の仮性包茎でも衛生状態の改善が見込める場合があります。以下の方法を試すことをおすすめします。

  • 入浴時のケア:温かいお湯で包皮を柔らかくしてから、優しく包皮を剥く練習をします。
  • 清潔保持:石鹸でよく泡立てて、清潔な手で包皮と亀頭を洗います。
  • ストレッチング:痛みを感じない範囲で、包皮を少しずつ伸ばす練習をします。

注意点として、無理な力は加えないでください。痛みや出血がある場合は直ちに中止し、医師に相談しましょう。3歳までの男児では包皮が亀頭を覆っているのは正常な状態です。幼少期に無理なケアを行う必要はありません。セルフケアを行う際には、注意点を確認したうえで行いましょう。

薬物療法:ステロイド軟膏

重度の仮性包茎で炎症が起きている場合、医師の指示のもとでステロイド軟膏を使用することがあります。また、長期使用は避ける必要があります。皮膚の薄化や感染リスクの増加につながる可能性があります。

薬物療法はあくまで対症療法であり、根本的な解決にはならない場合もあります

手術療法の種類

セルフケアや薬物療法で効果が見られない場合、手術療法を検討しましょう。主な手術方法には以下があります。

  • 環状切除術:包皮を環状に切除し、亀頭を露出させる手術です。手術跡が目立ちにくく、一般的な方法として広く採用されています。施術時間は30分~1時間程度です。
  • 背面切開術:包皮を切除せず、縦に切開することで亀頭を露出させやすくする手術方法です。諸外国で行われている割礼と同じような方法です。施術時間は環状切除術より短く、費用は自由診療で10~20万円程度が目安です。

仮性包茎の手術の費用は保険適応外で10〜40万円程度です。手術の選択は、症状の程度や個人の希望によって異なります。医師と十分に相談のうえ、最適な方法を選択することが重要です。

手術後のケアと注意点

手術後は、適切なケアが重要です。以下の点に注意します。

  • 傷口の清潔保持:医師の指示に従い、抗生物質軟膏の塗布やガーゼ交換を行います。
  • 安静の確保:激しい運動や性行為は、医師の許可があるまで控えましょう。
  • 定期的な経過観察:問題がないか、定期的に医師の診察を受けましょう。

手術後の回復期間は個人差がありますが、通常2〜4週間程度で日常生活に戻れるケースが多いです。完全な回復には6〜8週間かかることもあります。

まとめ

重度の仮性包茎を放置すると、感染症や炎症、性生活への悪影響や精神的な負担など、さまざまなリスクがあります。日々のセルフケアやトレーニングである程度衛生状態の改善は期待できますが、症状が重い場合は、ステロイド軟膏による薬物療法や、手術療法といった選択肢もあります。

仮性包茎は決して恥ずかしいことではなく、多くの人が抱える悩みです。不安な気持ちを抱え込まず、まずは経験豊富な医師へ相談することをおすすめします。快適な毎日を取り戻すために、まずは一歩踏み出してみませんか。

以下の記事では、包茎の手術や治療、タイプや症状などについて網羅的に解説しています。包茎にお悩みのある方はぜひチェックしてみてください。
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参考文献

Hayashi Y, Kojima Y, Mizuno K, Kohri K. Prepuce: phimosis, paraphimosis, and circumcision. The Scientific World Journal, 2011, 11, p. 289-301.

ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

葉山芳貴

総院長、医学博士 葉山芳貴

経歴

平成14年
聖マリアンナ医科大学 卒業
平成20年
大阪医科大学 大学院 卒業
平成22年
大手美容形成外科 院長 就任
平成27年
メンズサポートクリニック開設
平成28年
メンズサポートクリニック新宿 院長就任
平成28年
医療法人清佑会 理事長 就任

資格

医師免許(医籍登録番号:453182)

保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)