包茎手術は保険適用になる?対象条件・費用・注意点を詳しく解説
- 更新日:2025.05.23
- 投稿日:2025.05.23

包茎は、多くの日本人男性が悩みを抱えるデリケートな問題の一つです。見た目のコンプレックスだけでなく、衛生状態や将来的な健康リスクも懸念されることがあります。包茎手術は、特定の条件下では健康保険が適用される可能性があります。
本記事では、包茎手術の保険適用条件や費用相場、術式、術後のケアまで解説します。長年悩んでいた包茎の症状を改善し、より快適な生活を実現するための選択肢として、参考にしていただければ幸いです。
以下の記事では、切らない包茎手術の仕組みやメリット、従来の手術との違いについて詳しく解説しています。
>>切らない包茎手術とは?痛みなしで悩みを解消する方法
包茎手術が保険適用になる条件
包茎手術が保険適用になる条件は以下の2つです。
- 真性包茎
- 剥いた包皮が戻らず血流障害を起こしているカントン包茎
真性包茎
「真性包茎」は、包皮の開口部が狭く、亀頭を全く露出できない状態もしくは、亀頭と包皮が強固に癒着していて亀頭を全く露出できない状態です。先天性の場合もあれば、病気や怪我が原因の場合もありますが、いずれの場合も医学的には疾病として扱われ、保険適用となります。
思春期を迎えても亀頭が全く露出しない場合は、真性包茎の可能性があります。亀頭を清潔に保つことが難しいため不衛生な状態になりやすく、包皮炎を繰り返すなど、日常生活に深刻な支障をきたす前に、早めに泌尿器科や包茎治療を専門とする男性専門クリニックへ相談することをおすすめします。
以下の記事では、真性包茎の治療法や手術を受けるメリット、後悔しないための注意点について詳しく解説しています。
>>真性包茎の治し方はある?手術のメリットと後悔しないための注意点
剥いた包皮が戻らず血流障害を起こしているカントン包茎
無理に包皮を剥いて亀頭を露出させた際に、包皮が亀頭の下に嵌まり込んで戻らず、包皮が陰茎を圧迫することで亀頭への血流が阻害され、放置すると壊死に至る可能性がある危険な状態です。カントン包茎は、重大な健康被害を起こしている状態なため、保険適用で手術を受けられる可能性があります。
包皮が亀頭直下の陰茎をリング状に圧迫している状態になり、激痛を伴う腫れや、亀頭の色が紫色に変色するなどの症状が現れたら、早急に医療機関を受診してください。
保険適用となるかどうかは、個々の状況によって異なります。まずは泌尿器科や包茎治療を専門とする男性専門クリニックに相談し、適切な診断と治療を受けるようにしてください。
カントン包茎は早期の対応が鍵となりますが、治療法や術後のケアについて具体的に知っておくことも大切です。以下の記事では、カントン包茎の原因や症状、治療の流れとその後のセルフケアまで、詳しく解説しています。
>>カントン包茎の治し方は?原因や症状、治療法とその後のケアも解説
包茎手術の費用相場
包茎手術の費用相場について、以下の4点を解説します。
- 保険適用手術の費用相場
- 自由診療の手術の費用相場
- 手術方法による違い
- 美容オプション費用
保険適用手術の費用相場
包茎手術は、真性包茎や緊急性の高い状態のカントン包茎で健康保険が適用されるケースがあります。包茎の状態が、病気や怪我のように治療が必要な状態と判断されるためです。保険診療では、病名によって行える治療内容が決まっているため、包皮炎を繰り返す仮性包茎の場合、包皮炎に対する軟膏治療は保険診療の対象ですが、包茎手術は保険適用にはなりません。「見た目が気になる」、「パートナーに指摘された」などの美容的な理由や、衛生状態の改善や包皮炎等の感染症状の予防といった予防目的での包茎手術は保険が適用されません。
保険適用となる場合、手術費用や術前検査、薬剤、再診などを含めて、具体的な費用はクリニックによって異なります。0~6歳までのお子さんであれば1割または2割負担となり、自治体によっては助成制度があり無料になる場合もあります。
保険適用される手術方法は、主に背面切開術と環状切除術です。仮性包茎は、保険適用外です。包皮が亀頭を覆っているように見えますが、手で簡単に剥けることから、医学的には病的な状態ではないため治療の必要性は低いと判断されます。仮性包茎で日常生活に著しい支障が出る場合も、包茎手術は保険適用にはなりません。
自由診療の手術の費用相場
自由診療の費用は手術方法やクリニックによって異なりますが、一般的には100,000~400,000円程度が相場です。自由診療では、より自然な仕上がりや手術部位を目立たなくするなど、美容に配慮した手術方法を選ぶことができます。
術後の仕上がりにこだわりたい方や、より高度な技術を用いた手術を希望する方は、自由診療を検討してみましょう。多くの場合、自由診療では術前検査や薬剤費用なども手術費用に含まれています。保険診療と自由診療では、費用だけでなく、手術方法の選択肢や術後の仕上がりなどにも違いがあります。
以下の記事では、包茎手術の費用に関する詳細や、後悔しないための選び方についてわかりやすく解説しています。
>>包茎手術の費用が気になる方必見!後悔しない選び方を解説
手術方法による違い
包茎手術には、さまざまな手術方法があります。主な手術方法は、以下の3つです。
- 背面切開術
- 環状切除術
- 亀頭直下法(亀頭直下埋没法)
背面切開術は、包皮を部分的に縦に切開する方法で、比較的簡単な手術であり、施術時間も短く済みます。環状切除術は、包皮を環状に切除する方法で、より高度な技術が求められます。
亀頭直下法(亀頭直下埋没法)は、環状切除術の中でも、亀頭直下で包皮を環状に切除し縫合する方法で、手術跡が目立ちにくいというメリットがあります。当院では、亀頭直下法(亀頭直下埋没法)を99,000円(税込)から提供しています。
それぞれの手術方法にはメリット・デメリットがあるため、医師と相談して、ご自身の状態や希望に合った手術方法を選択することが大切です。
美容オプション費用
自由診療では、自然で美しい仕上がりを目指すための美容オプションが用意されている場合があります。手術跡を最小限にするための切除方法や縫合方法があります。美容オプションを追加する場合は、別途費用がかかります。
料金体系はクリニックによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。美容に配慮した仕上がりを重視する方は、美容オプションも検討してみる価値があります。保険診療での包茎手術に美容オプション費用を追加することは「混合診療」となり、認められていません。
包茎手術の術後ケアと注意点
包茎手術の術後ケアと注意点について、以下の4つを解説します。
- 術後の痛みと腫れ
- 感染症予防
- シャワーと入浴のタイミング
- 性行為の再開時期
術後の痛みと腫れ
手術後の痛みや腫れは、身体が手術による組織の損傷を修復しようとする自然な反応です。手術直後から数日間、鈍い痛みや違和感を覚えたり、陰茎全体が腫れたりすることもあります。痛みの程度は、手術方法や個々の体質によって大きく異なります。
全く痛みを感じない方もいれば、日常生活に支障が出るほどの強い痛みを感じる方もいます。手術の種類や、大人か子供かによっても痛みの程度や種類は変わります。大人の場合、手術に使用した糸による違和感を覚える方が多いです。子供の場合は、痛みよりもガーゼや包帯による違和感や圧迫感の方が強い傾向です。
痛みを和らげるためには、医師から処方された鎮痛剤を指示通りに服用することが重要です。自己判断で市販の鎮痛剤を服用することは避け、医師の指示に従ってください。手術後数日間は安静を心がけ、激しい運動や飲酒、刺激物などの摂取は控えましょう。血流を増加させ、痛みや腫れを悪化させる可能性があるためです。
アメリカ小児科学会(AAP)も、包茎手術後の効果的な疼痛管理の重要性を示唆しています。新生児の包茎手術においては、身体的なアプローチだけでなく、適切な鎮痛薬の使用も推奨されています。
感染症予防
感染症を予防するためには、清潔を保つことが重要です。手術後は、手術部位から細菌が侵入し、感染症を引き起こすリスクが高まります。医師の指示に従い、消毒薬や軟膏を使用して適切な処置を行いましょう。排尿時やシャワー後は、清潔に保つように心がけてください。
尿や石鹸カスなどが手術部位に付着すると、細菌が繁殖しやすくなります。清潔なガーゼや包帯で施術部位を保護することも大切です。ガーゼや包帯は、定期的に交換し、清潔な状態を保ちましょう。手術部位の腫れや痛みの増悪、発赤、発熱、膿などの症状が現れた場合は、感染症の可能性があります。
感染症を疑う症状が現れた場合は受診し、適切な治療を受けてください。自己判断で市販薬を使用したり、治療を中断したりすることは、症状を悪化させる可能性があります。
入浴のタイミング
手術後、手術部位が濡れると感染症のリスクが高まるため、シャワーや湯船への入浴のタイミングには注意が必要です。手術後数日間はシャワーのみとし、湯船への入浴は避けるように指導されることが一般的です。シャワーを浴びる際は、石鹸をよく泡立てて優しく洗うようにしてください。
湯船への入浴が可能になる時期は、手術方法や手術の治り具合、年齢などによって異なります。医師の指示に従い、適切な時期に入浴を再開してください。入浴後は、施術部位を清潔なタオルで優しく拭き、しっかりと乾燥させてから軟膏を塗布することが重要です。
性行為の再開時期
性行為は、手術部位への刺激や摩擦によって痛みや出血を引き起こす可能性があるため、手術後しばらくは控える必要があります。性行為を再開する時期は、手術方法や手術の治り具合によって異なりますが、一般的には術後4~6週間程度です。
性行為を再開する前に、必ず医師の診察を受け、許可を得てください。自己判断で性行為を再開すると、手術部位が開いたり、感染症を起こしたりするリスクがあります。医師の指示に従い、安全に性行為を再開しましょう。
まとめ
包茎手術は、見た目の問題だけでなく、衛生面や健康面にも影響を与える可能性があります。真性包茎や一部のカントン包茎は、健康保険が適用されます。費用を抑えられる保険適用手術か、仕上がりにこだわった自由診療か、ご自身の状況や希望に合わせて最適な方法を選びましょう。
術後のケアも重要です。医師の指示に従い、清潔を保ち、感染症予防に努めましょう。痛みや腫れ、性行為の再開時期など、気になることは医師に相談し、安心して手術に臨んでください。
MSクリニック横浜では、包茎手術をはじめとする男性の悩みに関するさまざまな治療を提供しています。診察は無料で行っていますので、お気軽にご相談ください。
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参考文献
American Academy of Pediatrics Task Force on Circumcision. Male circumcision. Pediatrics, 2012, 130, 3, p.e756-e785
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)