仮性包茎の割合はどのくらい?仮性包茎の症状や治療法など包茎事情を解説
- 更新日:2025.01.30
- 投稿日:2025.01.29

「仮性包茎」という言葉を耳にしたことはありますか?多くの方が、自分や大切な人の体のことで不安や疑問を抱えているかもしれません。日本人の成人男性の6〜8割が仮性包茎だと言われています。仮性包茎は必ずしも治療が必要な状態ではありませんが、適切なケアを怠るとさまざまな問題が生じる可能性があります。
本記事では、仮性包茎の定義から症状、治療法まで、わかりやすく解説します。正しい知識を身につけ、必要に応じて適切な対処法を選ぶことで、より快適な生活を送ることができます。
以下の記事では、包茎の種類について、より詳しく解説しています。包茎の図もあるので、参考にしてみてください。
>>包茎の種類・包茎とは?
仮性包茎とは?包茎との違いを詳しく解説
仮性包茎とは、一見すると包皮が亀頭を覆っているように見えますが、手で簡単に剥ける状態を指します。多くの場合、健康上の問題はないとされています。仮性包茎について、以下のポイントを解説します。
- 仮性包茎の割合と年齢による変化
- 包茎の種類
- 仮性包茎と他の包茎の違い
仮性包茎の割合と年齢による変化
仮性包茎の割合は年齢によって大きく変化します。年齢別の仮性包茎の割合は以下のとおりです。
- 新生児:ほぼ100%が真性包茎
- 3歳頃:多くの男児が仮性包茎に移行
- 成人:約60〜80%が仮性包茎
包茎の種類
包茎には仮性包茎にも、カントン包茎と真性包茎があります。それぞれの包茎の特徴は以下のとおりです。
- カントン包茎:勃起時に亀頭を露出させると包皮が亀頭直下に嵌まり込んだ状態になる包茎。亀頭を露出させることができるので、仮性包茎の一種と考えて良いでしょう。
- 真性包茎:包皮の先端が狭くなっており、亀頭を完全に露出できない包茎。
日本人男性における真性包茎の割合は、成人では約1〜3%とされています。カントン包茎の具体的な割合に関するデータは少ないですが、真性包茎と同様に、成人男性の中では比較的少数派と考えられています。
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仮性包茎と他の包茎の違い
仮性包茎と他の包茎タイプの主な違いは以下のとおりです。
- 亀頭の露出:仮性包茎は可能、真性包茎は不可能
- 自然改善:仮性包茎は成長とともに改善することがある、真性包茎の改善は稀
- 治療の必要性:仮性包茎は多くの場合不要、真性包茎やカントン包茎は必要な場合が多い
仮性包茎の場合でも、以下の状況では適切なケアや治療が必要になることがあります。
- 恥垢が溜まりやすく、衛生状態で問題がある
- 性生活に支障がある
- 繰り返し炎症を起こす
真性包茎の場合は排尿障害や炎症のリスクが高いため、専門医への相談が推奨されます。
仮性包茎の症状と合併症のリスク
仮性包茎は多くの男性に見られる自然な状態ですが、適切なケアを怠るとさまざまな問題が生じる可能性があります。仮性包茎の症状と合併症のリスクとして、以下を解説します。
- 仮性包茎で起こりやすい症状
- 仮性包茎を放置した場合の影響
- 衛生状態での問題(炎症、感染症など)
仮性包茎で起こりやすい症状
仮性包茎の主な症状は、包皮と亀頭の間に溜まる恥垢です。恥垢は古い角質や皮脂、汗などが混ざったもので、独特の臭いを発することがあります。恥垢は衛生状態の悪化を示す重要なサインです。恥垢が溜まると、以下の症状が現れる可能性があります。
- 包皮のむくみや赤み
- かゆみ
- 炎症による痛み
- 排尿時の痛み
細菌の繁殖による炎症が原因であることが多いです。
仮性包茎を放置した場合の影響
仮性包茎を適切にケアせずに放置すると、以下の問題が生じる可能性があります。
- 炎症の慢性化
- 包皮の硬化
- 亀頭の感覚鈍化や過敏化
- 将来的な包茎手術の困難化
日常生活や性生活に大きな影響を与える可能性があるため、早期の対応が重要です。
衛生状態での問題(炎症、感染症など)
仮性包茎は衛生状態の悪化を招きやすく、さまざまな感染症のリスクが高まります。特に注意が必要なのは以下の感染症です。
- 亀頭包皮炎:亀頭と包皮に炎症が起こる病気で、痛み、かゆみ、腫れ、膿などの症状が現れる
- カンジダ症:真菌による感染症で、かゆみや白い分泌物が出る
仮性包茎の治療・手術について
仮性包茎は日本人男性の多くに見られる状態で、必ずしも治療が必要ではありません。しかし、衛生状態や性生活への影響、外見に関する悩みがある場合は、治療を検討する価値があります。ここでは、仮性包茎の治療法について解説します。
仮性包茎の治療が必要なケース
仮性包茎は多くの場合自然な状態ですが、以下の症状がある場合は治療を検討すると良いです。
- 衛生管理の困難:恥垢が溜まりやすく、炎症や感染症のリスクが高い場合
- 繰り返す亀頭包皮炎:炎症が慢性化すると、カントン包茎や真性包茎に移行し、将来的に手術が難しくなる可能性がある
- 性行為時の痛みや出血:亀頭に傷がつく可能性やパートナーへの感染リスクがある
- 勃起時の痛み:特にカントン包茎の場合、早急な対応が必要
- 見た目へのコンプレックス:精神的な負担を軽減するため
- パートナーへの配慮:不快感を与える可能性がある場合
医学的な観点から、包皮切除は将来の疾患リスク軽減のための予防措置としても行われることがあります。例えば、尿路感染症、性感染症のリスク軽減が期待できます。
包茎手術の種類と費用
包茎手術には主に以下の方法があります。
- 環状切除術:包皮を環状に切除し、亀頭を露出させる手術です。手術跡が目立ちにくく、一般的な方法として広く採用されています。施術時間は30分~1時間程度です。
- 背面切開術:包皮を切除せず、縦に切開することで亀頭を露出させやすくする手術方法です。諸外国で行われている割礼と同じような手法です。施術時間は環状切除術より短く、費用は自由診療で10~20万円程度が目安です。
仮性包茎の手術は保険適用外であり、手術の種類で異なりますが、費用は10〜40万円程度です。事前に確認することをおすすめします。
仮性包茎手術のメリット・デメリット
包茎手術には以下のメリットとデメリットがあります。メリットは以下のとおりです。
- 衛生状態の改善
- 亀頭包皮炎の予防
- 見た目の改善
デメリットは以下のとおりです。
- 手術に伴う痛みや腫れが
- 出血や感染症のリスク
手術費用もかかってしまうため、仮性包茎の手術を行う際は、メリットとデメリットを考慮して手術を検討しましょう。
手術以外の治療法:薬物療法
手術以外の治療法として、薬物療法があります。薬物療法はステロイド軟膏を使用して炎症を抑制します。亀頭包皮炎の治療に効果的です。
特に3歳までの男児では生理的包茎が一般的であるため、無理に包皮を剥こうとすると嵌頓(包皮が戻らなくなる状態)を起こす危険性があります。
治療後のケアと注意点
手術後は以下の点に注意が必要です。
- 医師の指示に従った適切なケア
- 傷口の消毒や軟膏の塗布
- 清潔な状態の維持
- 一定期間の激しい運動や性行為の控制
仮性包茎の治療は、症状や個人の悩みに応じて検討する必要があります。手術や薬物療法、セルフケアなど、さまざまな選択肢がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
治療を検討する際は、専門医に相談し、自分に最適な方法を選択することが重要です。適切な治療により、個人差はありますが衛生状態の改善や性生活の質の向上が期待できます。
まとめ
仮性包茎は日本人男性の多くに見られる自然な状態です。主なポイントは以下のとおりです。
- 6~8割の日本人の成人男性が仮性包茎
- 必ずしも治療は必要ないが、症状によっては対処が必要
- 適切なケアで多くの問題は予防可能
- 悩みがある場合は専門医に相談を
仮性包茎について正しく理解し、必要に応じて適切な対処をすることで、快適な生活を送ることができます。不安や疑問がある場合は、ためらわずに専門家に相談しましょう。
以下の記事では、包茎の手術や治療、タイプや症状などについて網羅的に解説しています。包茎にお悩みのある方はぜひチェックしてみてください。
>>包茎のお悩み、包茎手術は男性専門泌尿器形成のMSクリニック横浜へ
参考文献
Yutaro Hayashi, Yoshiyuki Kojima, Kentaro Mizuno, Kenjiro Kohri. Prepuce: phimosis, paraphimosis, and circumcision. Scientific World Journal, 2011, 11, 289-301
ページ監修:総院長「葉山芳貴」紹介

総院長、医学博士 葉山芳貴
経歴
- 平成14年
- 聖マリアンナ医科大学 卒業
- 平成20年
- 大阪医科大学 大学院 卒業
- 平成22年
- 大手美容形成外科 院長 就任
- 平成27年
- メンズサポートクリニック開設
- 平成28年
- メンズサポートクリニック新宿 院長就任
- 平成28年
- 医療法人清佑会 理事長 就任
資格
医師免許(医籍登録番号:453182)
保険医登録(保険医登録番号:阪医52752)